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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
逆輸入
2009年11月02日
中国の展示会に行ったときに思ったのが、中国キバタが日本で加工されて、中国で販売されるという流れが起こり始めているということです。この背景には、中国の染色技術や加工技術が物性面で十分な基準に達していないということが上げられるかと思います。中国国内で流通する中国生地も、日本の技術を必要としている時代になりました。

中国のキバタというものは問題を含んでいることが多いのは事実のようで、一回染めて失敗するので一度色を抜きなおして染め直したらうまく行くというような話を聞きます。中国国内向けの糸のグレードは、日本向けの糸のグレードよりも低いことが当たり前なので、このような問題が起こりやすいのだと思います。

上海の展示会でも、中国のリネンの紡績メーカーが10社ほど弊社のブースに来てくれました。価格は安いものの明らかに中国糸であるといえる白っぽくそばかすの多いリネン糸を製造する紡績メーカーから、ヨーロッパ原料を使用したトップクラスの紡績メーカーまであります。トップメーカーのものでも中国向けと日本向けは使い分けているのでその辺りが品質のポイントかと思います。

以前、ヨーロピアンブランド糸を使用したときに、中国糸以上の問題が発生するような事態が起こり、本国紡績もの以外は注意して使わないといけないレベルまで来たということを実感しました。最近では、競争の成果もあって、中国紡績のトップクラスのブランドのほうが品質だけでなくフォローも良くなってきています。最高を誇っていたアイリッシュリネンが10数年前くらいから品質の低下がみられ、紡績産業自体が消えてしまったのも同じような流れで、このことは、同様に日本の製造業にもいえるのではないかと思います。