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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
31度
2012年08月16日
夜、仕事を工場の中でして、夜なのに暑いなあと思いながら温度計があったので見ると31度、外は涼しいので、窓を開けたいですが、羽虫が入ってくると後が大変なのと音が漏れないように開けないことにしています。

昔は工場にも水冷式の冷房設備までも作って工場内の夏場の暑さを軽減しようとしたのですが、水冷式では水分が使っていないときにもエアダフトの中に溜まったりするので、生地をつくる環境としてはよくないということで15年ほど前に使わないことにしました。水冷式というのは本来麻織物を織るのには悪くない方法です。今の業務用のエアコンプレッサー式の大型エアコンというのは麻織物を織るのには逆に良くないのです。エアコンを使ったのは数年の夏の暑い日のことで設備自体もったいないものになってしまいました。

日本においては、林与は、レピアで麻を織る時代を作り上げた先駆者でもありました。レピアで高品位な麻織物が織れるのが分かると、日本でも麻をレピアで織る時代が到来をしたのです。レピアで麻を織り始めることができたことが、それが1970年代の空前の麻ブームを引き起こすきっかけの一つでもあったのです。

麻ブームというものは面白いものでオイルショック後のものが売れない時代に重なり、歴史的にみれば、その後の売れない時代の前触れでしかないのかなあと思います。その後は麻織物というものは湖東産地で織られる量というのは激減を続け、他産地や海外で織られるものにほとんどが置き換えられる時代になってきました。林与の場合は、自社規格の先染生地を展開していたので、他の量産の白や生成麻生地ではなかったがために逆に機を動かし続けることが出来たといえます。