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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
お盆明け
2012年08月20日
急ぎで動いていた仕事で生地商社の担当の方から連絡がお盆を明けてもないので、電話で連絡を入れてみると怪我をされてここしばらくお休みされているとのこと、常に仕事を優先しながらも仕事というものが一番でないことを感じる瞬間です。私の案件は私の意向で数ヶ月早めに動いていてくださったので対応は柔軟にできると思うのですが、切羽詰った案件も抱えておられるだろうで本当に気の毒です。

これは東日本大震災で被災された企業さんにもいえることだと思うのですが、1年の仕事がないとその仕事というのは他に振り分けられてしまうので、その翌年にまた仕事があるかというとそう簡単なものではありません。以前、同業者の方で突然入院をされて、一年の受けていた仕事ができない状態になって回復されてからも仕事を元に戻すことも難しく、廃業されたケースなどもありました。元気であれば、目の前にある仕事に全力で取り組めるという幸せはものづくりの健全な考え方ではないのかと思います。いやいや作られた布よりも仕事に幸せを感じて作られた布のほうが着られる方も幸せになるのではと思うところです。現場の仕事は厳しいものでそれにどう前向きに取り組むかだと思います。

昨日は菱沼良樹氏からパリでのオートクチュール展を開催されたご連絡をいただきました。著名な日本人デザイナーの皆さんの海外での活躍というのは、日本国内の繊維業界が明るい話題というものが少ない中で、日本のものづくりのイメージを牽引されていく原動力となるといえます。今月の初めに上海のトップデザイナーZiggyChen氏も弊社にお越しくださりお話していると一つのブランドというよりも国のイメージを背負われて国際的な舞台で発表をされているような感じを受けます。

デザイナーがデザイナーとしての真直ぐな姿勢に見える活動をされているのは今の時代では失われた聖域であるかのように思えますが、見た人が惹きつけられるようなイメージというのは、華やかに見える裏に貫いたようなコンセプトがあってからこそ特別に見えるのだろうと思います。