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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
レピア交換
2012年08月24日
レピアというのは、糸の端っこを左から右へと運ぶための部品なのですが、一分間に150回から180回くらい糸の引渡しをします。板バネなどで微妙にテンション調整をして、金属部品が糸を掴んで受け渡しをするので、掴む部位の形状を調整したり、掴む強さを調整したり、掴むタイミングを調整したりで、うまく、織物が織れる様にします。

非常に、高速で動いているので調子が悪いときにそれが、何の原因なのかを考えることになります。基本的には、機械というのは非常に正直ですので、調子が悪いときには調子が悪い理由があり、それを頭で考えて見つけ出さないと、下手な調節をすると、ちょうど良い調節になっているところを悪く調節することになり、織機がぼろぼろの状態になってしまいます。

織機の調節にしても、順番に考えていけばよいのでそれほど難しいことは少ないのですが、織機を調節するために手が動くかどうか、自分の手の感覚というものが非常に大事です。産地で織物を織ることができなくなった背景には、織機を上手に調節することができる人が少なくなったということも大きな原因です。

織物工場というのは織るのが仕事のように思われるかもしれませんが、織るのが仕事というよりも機械の調節こそが仕事みたいなところがあります。今の時代は、自動車や電気産業でも修理や調節が出来る人というのは本当に少なくなっています。部品を交換することはできても調節ができないのです。