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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
リネンの生成
2012年12月16日
今日、リネン40番手の生成の糸を整経しておりますと買ったばかりのワンロットの糸を使ったのですが、今までにない問題が起こりました。ワンロットながらも箱ごとに色味が違ったようで、残念なことですがストライプ模様になってしまって、10反分の整経がボツです。

ワンロットの糸を使用して、ここ10年ほどこんな問題は一度もなかったのですが、こういう問題が起こったということは要注意です。昔はこういう問題というのは頻繁におこっていたので、だからこそ、問題のないメーカーのものを使う意味合いというのも大きかったといえます。

シャトル織機を使っていた昔というのはより高品位の糸が必要だったといえます。シャトルが変わるごとに色味が微妙に変わるようでは無地であっても色段だらけの織物になってしまいます。シャトル織機で使う糸というのは、カセ染のほうがよいというのも、同じ理由で、チーズ染の糸というのは内外差があるのでシャトル織機でアパレル生地を織るのには向かないのです。

レピア織機だとチーズ染めの糸をそのまま使えば、内外差があったとしても、ほとんど気づかないものです。チーズ染された糸の正しい使い方というのは、4本くらいのチーズの糸をランダムに横に打ち込んでいくことです。これだと生地の遠い部分同士を一着の服に使っても色の差というものはほとんど感じることはありません。規則正しく打ち込むでなく、ランダムに打ち込む理由は、糸切れなどの際に1本2本飛んでしまうなどの際にそのクセがみえにくいということがあります。

シャトル織機が衰退していった理由の一つに、レピアのほうが悪い糸を使った場合でも品質を向上しやすいという問題があると思います。麻織物に関しては、レピア織機の普及で、織段や色段の少ない織物が作り易くなりました。レピア織機というのはピックファインダーが付いていてバックできるのが特徴です。シャトル織機というのは、基本前に進むだけでバックするときには、ドビー織物の場合は横糸を切って抜くという作業を行います。また、ギア一つ分正確に戻すということもシャトル織機では難しいもので、職人の必要性があります。レピア織機の普及で織物を織るのに職人さんも必要なくなってしまったということもあるといえます。