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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
クリエイティビティ
2013年01月15日
クリエイティブなものづくりというのは目立つもので話題性があるのですが、見本までで終わらせておくほうが無難なことも多いのです。本生産となると技術的にぎりぎりのものというのは大きな問題を伴うことが多いものです。

クリエイティビティにこだわりすぎるとベーシックな技術すらも欠いてしまうことも多いもの。クリエイティブなものづくりに偏向すると安直なものづくりになりがちで、基本のものづくりを忘れてしまうことになり、本業としてスタイルを持った形では長続きしないものです。

織物も本来規格があるわけじゃあないのです。自分自身が横糸など、どの程度の打ち込みにするとよいのか決めるのですが、それを自分で決められるようになって、さじ加減ができるようになったら、自分で布をつくることができる人ということです。ギアが10本、20本異なっても織物は織りあがりますが、風合いは当然異なります。基本の企画をしっかりと頭の中にもって、織ってみて触って、薄いとか厚いとか分かるようになれば機場での一人前です。

布の美しさの基本と言うのは透明感がひとつにあります。布というのは、厚く織るほどやぼったくなるもので、薄く織るほどエレガントなものに見え、軽くなり夏物としてはよい感じになります。でも、薄すぎて透けすぎて実用性が乏しかったり、スリップしたりと、そのあたりも考えながら、打ち込みを決め、それが実際に良い感じの布に仕上がるという結果が一番大事です。

ものをつくるときに、徹底的に規格を数値で固めてものをつくる場合と、お任せ的にさじ加減で作る場合がありますが、新しいものを作るときには打ち込みなんかは現場で判断をしたほうが最終の仕上がりが良いことが多いのです。