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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
バングラディッシュ
2013年01月11日
バングラディッシュという国が中国に次ぐ縫製のメッカとして注目を浴びています。織物の生産もバングラディッシュに向かう可能性は高いだろうなあと思います。かつては日本も繊維製品の輸出国だった時代は明治以降続いていたのです。

特に日本のシルク糸なんかは戦後ですら世界中から引っ張りだこだったのですが、今は実際に作られているのかどうかわからないほどになって、アイリッシュリネンと同じような流れで、人々の記憶から日本のシルク産業のイメージすらもなくなってしまっています。

蚕もそうですが、農業というのは自然の恵みで、人が争わずして恵みを受けることができるもの、手間を掛ければそれが貴重なものとなるのは、ものづくりの意味を正直に表していると言えます。

世界中のSPAがバングラディッシュに殺到することはその国の経済発展につながる部分もありますが、もののもともとその国にも服飾の文化があって、洋服の時代になっても職人気質の人が洋服つくりを分かって一着一着つくっていたのですが、そういう多能工さんの職を奪って、単能工に切り替えさせてしまい、その国の服飾文化の荒廃にもつながる一面もあります。

インドに行ったときにも何百人の縫製工場の方から、洋服を一着仕立てることのできる万能工を、どう単能工に変えるかに苦労したという話をお聞きして、インドでは万能工が自然に育つ恵まれた国なんだなあと思ったものです。それは小さなときから将来縫製の仕事に携わると言うことが見えているカースト制度の影響かもしれませんが、近代化の流れの中で、インドの縫製も海外のものを作るようになり、文化そのものも変わっていく一例ではないのかと思うのです。