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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
リネンの物性
2013年03月14日
リネンというのは、水洗いすると縮むとよく言われるのです。使っていくうちにだんだんと目が詰まるというような言い方もされます。リネンのシャツなど、首周りがタイトなものなどは、首のサイズが2CMから3CMほど小さくなることもあろうかと思います。

このことは、綿のシャツなどでも同じではあるのですが、リネンの場合は、吸水性に関して、綿の4倍といわれますので、これは、リネンの糸が水を吸った時に横方向に膨れるということで、横方向に膨れると織物のアップアンドダウンが苦しくなって縮む現象につながります。

乾くときに完全に元にまで戻ればよいですが、だんだんとアップアンドダウンの癖も付いてきて、生地が詰まっていくということになろうかと思います。一般にD法などでの収縮物性が3%以内だとアパレル向けに使える基準であることが多いですが、長期的なリネンが詰まる要素を考えると、ぴったりサイズだと長く着ることが難しいということになろうかと思います。

この水でリネン糸が縮む問題は糸の紡績方法にもよります。一般に、アパレルに使う糸というのはウェットスパンでないと危ないといわれていますが、安価なリネン糸の場合、ハーフウェットとかで、ウールの縮絨と同じで、洗えばどんどんと縮んでいくというものもあったりです。

一方で、手紡のホームスパンのリネン糸というのは、その特性をうまく利用して、厚みのあるふっくらとした織物に仕上がっていたのだと思います。レッティング方法に関しても、私は、リネンの収縮物性に大きな影響があろうかと思います。ウォーターレッティングとデゥーレッティングでは、ウォーターレッティングのほうがファイバー原料の時点での安定性が勝っていたと思います。