2013年06月03日
食生活に関しても外食がおいしくないと感じる方は多いものだと思います。本場というのは基本的な水準が高いもので、すきやきなんかに関しても、近江は本場であって、有名な近江牛のレストランで外食するよりも家でつくるすきやきのほうが贅沢でおいしかったりするものです。
ハンバーガー、うどん、ラーメンなんかにしても、本職でお店を構えられていてもそれほどと思えるよりも、外食に多い、インスタントな味が香ってしまうのはどうしようもないところだと思うのです。お米なんかも外食のお米というのは食べられるけどおいしいとまではいえないものです。
1000円までの、手ごろなお店でも、「はせがわ」というレアハンバーグステーキのお店の白いご飯が、食べ放題でおいしかったのには驚きました。ハンバーグも肉の味を知っているだろうからでしょうが、レアハンバーグが売りで、子供向けの味ではないので家族連れには向かないかもしれませんが、人気の近江牛レストランの味というのがご飯からしてくたびれているのに対し、かなりよい感じに思いました。
滋賀県のほかの名物に、ふなずしがありますが、あれを一番高い食べ物として評価できるあたりも、滋賀県の目だろうと思うのです。自分の家でふなずしを漬けるだからその価値も分かる。お客さんが来たときにもてなすために食べてもらうものを自分自身が食べずとも常に用意しているというのが近江の慣わしでした。
近江の商売の考え方が損得勘定じゃあないというのも大事なところで、損得勘定に交じるとその味というものも毒が入り変わっていくものです。自分自身が使うのももったいないものをつくり、お客さんに用意するというのが商売をする前にもっている基本であったのだろうと思うのです。
ものの価値が分かる人がいればよいですが、作っている人の中でも、ものの価値が分かる人が少なくなったのを感じます。お仕事のお客様とお話していても、他でも作れるとかを自慢げに話されたり、他と何が違うのか分からないといわれる場合には、それがそのブランドさんの変わることのないコンセプトであり、逆に海外の生地も安価で品質も安定してきていますので無理もなくお勧めだったりするものです。
林与の生地の背景も分かって使っていただいている皆さんも多くくださるので、そういう皆さんだけに支えてもらうものづくりのほうが、ものづくりのブレもすくなくてよいものです。