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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
レピア織機の調整
2009年12月19日
今日は、レピア織機の調整をしていました。レピア織機というのは、原理はそれほど難しくないのですが、目ではとらえにくいくらいの高速で動くために、タイミングの調整というのが非常に大事なのです。

糸をつかむタイミング、切るタイミング、放すタイミングなど、ズバリのところに合わせてあげないともっていきにくいのです。特に、番手が100番手クラスで細いとそのタイミングが微妙です。

糸を機械が持っていくときにはさんむと切れてしまったり、放すときに引きちぎれてしまったりと、糸自体の弱さもさることながら、一分間に180回程度繰り返される糸の手渡し作業のような機械の動きにうまくシンクロさせないといけないので、テンションの調整なども含めて、うまく織れる様な状態を維持するのは一仕事だったりします。

林与のレピア織機は麻を織る専用なので回転を落としているほうです、最近の綿や合繊の織機の世界では1000回転近いというようなところも多いです。一方、林与のシャトル織機は超低速で、90回~100回転くらいで生産性はまったく重視していません。目でシャトルの動きを追うことができたりします。そのたびに1本1本織られていくので、一時間で2mの世界だというのは納得してもらえると思います。

太い糸を織るのと細い糸を織るのとでは、機械のタイミングやテンション、挟む強さなどがかなり違ってくるので、たとえば、25番を織ったあとに100番を織るとなると、スムーズに織れるわけではありません。

同じものを織り続ける機屋さんの場合、番手に応じた、機械の調整などがほとんど必要ないので、生産効率を上げることが可能です。そのため、麻の世界でも、細い番手に特化した機屋と太い番手に特化した機屋とでは、まったく別の世界だったりします。資材系と服飾系の住み分けもその辺りです。