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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
織物管理
2013年10月03日
織物の問題の解決方法にはいろいろな先人の知恵を見ることができます。縦糸が1本1本交互に動いて横糸がその間を走れば織物ができるのかというと、理論はそうでも、そんなに簡単ではないものです。

麻の織物のの場合には、耳に泣かされることや糸調子に泣かされることも多いものです。ループの問題に泣かされておられるのが相談いただいた機屋さんの事例、レピアだとループの問題は、捨て耳の絡みに届いていないとかうまく行っていないとか。シャトルだと横糸のテンションの問題の可能性。織物の中身の部分とは捨て耳の部分は独立していたりして、それを動かすだけでも織物本体を織るのと同じような機構が別途必要です。

そういうのは無駄じゃなく織物を綺麗に見せるためには必要な仕組み、少しでも完成度の高い織物に仕上げるためにいろいろな工夫が織機には詰まっています。レピアヘッドが正しい位置で糸を取れるように、糸押さえが付いていたり、縦糸がまっすぐに織れる様にガイドがついていたり、職人というものはそういうものが邪魔に見えて外したがるものですが、意味に気がついて正しく使える人でないと、品質の高い織物をつくることが出来ず、仕事を続けることは難しいものです。

経験というのは長ければ上手ということもありません。私自身にも言えることだと思いますが、仕事に対する考え方や癖というのは直すことは難しいものです。仕事自体は簡単でも、それを他の人に仕事をしてもらうとするときに難しいところ。いろいろな織物産地が衰退していく流れの中で、織物に対する需要の低下とか以上にそのことは大きな衰退の原因となろうかと思います。今の日本の織物の現場では、仕事があってもできる人がいないといわれることも多いのです。