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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
職人
2013年11月08日
仕事が少なくて値上げしてほしいという話があるのだが、仕事しないでその分を値上げで補うというのは今ある仕事すらも消えていく、当たり前の流れ。結局、前のお客さんに値上げ分を同じような仕事が少ないから値上げというような理由でねだれるかというと、そんな甘えが通用することはほとんど無い。

今、技術的にも生き残っているところというのは、仕事をたくさんしているところで、そういうところでも厳しい現実はあるがいろいろと生き残るために努力をするので新しいものも生まれてくるし新しい技術も生まれてくる。繊維業界においては中国の企業が、日本やヨーロッパの大手企業の実質的な生産を担う形となって、一般的には中国のほうが日本以上にものづくりが上手になってしまっているようなケースも多い。私自身も先染という分野においては配色などは別にしても、その多様性とそのレスポンスではもはや中国企業にこの10年で抜かれてしまったのを実感する。

日本の場合、仕事があると講釈を垂れて仕事を出し惜しみというタイプの職人さんというのも多く、できることくらいベストでやらないと駄目だろうと思うが、仕事が面倒そうな話ばかりで仕事に対する姿勢に曇りが見えると仕事というのは逃げていくもので、仕事をしたくても仕事がないというのが当たり前の状況で、仕事があっても仕事するのを面倒そうにいうばかりでは仕事がもらえるはずもない。

職人もそうだができることはなんでもやって能力を常に持っていないと駄目で、職人を育てる企業にしても同じだろうと思う。下請けの業者さんに頼んでも、新しいものづくりのために、やれば出来そうなことを提案しても面倒そうに言われ、それはできないと技術的な問題点ばかりをいわれることが多いが、今、それを乗り越えようとしないならいつまでも無理。新しい機械設備などなくても人の力でカバーできることも多いが、そういう地道な仕事を、今の職人ができるのかというと仕事をしないほうを選ぶことが多い。