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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
世代交代
2014年01月22日
今日はあるブランドでお世話になった方からお電話をいただいて、この3月で会社を去られるというご報告をいただきました。アパレルの業界というのは、仕事をしているといっても舞台の出番が来たかのような状態で、私よりも弊社を担当下さった、お若いみなさんが会社を移り変わられるということを多く経験しています。アパレルに居られた方というのは、アパレルの仕事が好きな方がほとんどで次もアパレルの仕事に就きたいとおっしゃっておられる方が多い分、競争も激しく、移り変わりも激しいのだろうと思います。

ブランドさんでも時代とともにターゲットが上がっていくタイプのブランドさんというのは、中で働いている人も安定しているのでしょうが、特定の年代をターゲットとしたブランドさんだと、やはり、そのブランドで働く人の年齢というのもターゲット層と似通っている層がマジョリティでないとギャップが生じてくるのだろうなあと思えます。たとえば、低価格路線で攻める大手SPAさんは、10代、20代がターゲットなために、お店で働いている人も、20代の方が多いですが、あと10年後、そのお店で働いている人が同じお店で働き続けることが、お店のイメージと整合するのだろうかという問題があります。10年先というのは、アパレルの業界では大手さんにしても常に闇の状態だろうと思うのです。

世代交代をうまくしているところは実際に生き残っていく可能性は高く、世代交代ができないと次の世代が育たずに、主力世代が交代時期を迎えると会社の力ががくんと落ちるということになり、そこで会社は終わってしまうのです。日本的雇用形態といわれた年功序列型賃金制度や終身雇用制度というものにしても戦後の良い時代にみた夢のようなもので、実際に年金制度などと同じで問題を先送りにしているだけのことであるのだろうと思えます。

世代交代にしても、今の世代よりも次の世代のほうが強くなければ、産業も発展するはずがないのですが、今の若い世代というのは最初から失敗も許されないし、働く時間も制限されすぎているので経験を積む機会すらもなく、仕事をしていても昔の人ほども仕事のいろいろなことを知るまもなく仕事を終えるというケースが増えているのだろうと思うのです。

製造業で考えると、仕事を分業化し、マニュアル化してしまいパーツ化してしまうと誰でもができる仕事になるのでしょうが、特別、上手な人もいなくなる原因の一つに繋がり、長年でみていくと現場の人が実際になぜそのような手順が必要なのかがわからないままに仕事しているとか、自分の作っているものに何になるのかすらわからずにモノづくりしているとか素人集団がものをつくっている状態に近づいていくもので、特別なものを作るとかの力を現場の人に求めることすらできなくなってしまいます。