2014年03月01日
今日は午前中はお客様が少なめでしたので、船場センタービルの中にお店を持っておられる着物を扱われているお客様のところに伺いました。関西では繊維のメッカとなっている船場センタービルの中には生地屋さんなどもたくさんあって、お店を持っておられる方にとっては毎日が展示会のようなものなのだろうなあと思えます。
繊維の世界で、何かやろうとすると日本でもどこがやっているかとなると頼れる先というものは数少ないもので、その意味というのは、やっているところが減っているという問題だけでなく、自分自身で仕事を生み出せる人というのが稀だということだろうと思います。
受け継いだ形の商売だと、すでにやることも決まっているかの錯覚をもっていることが多く、今新しくその分野に参入される意欲的なところにも数年で追い越されてしまうことも会社としてもありうるもので、何十年の職人でも自分ひとり分食べていく仕事する力を持っている人は稀だろうというのと似ているのです。
昨日も、展示会の会場で年配の方とお話をして、一つのことに関して正しい認識をもたれているのに驚いたのです。特別なものを小ロットで生産することのパラドックス。小ロット対応していると機屋は潰れていくのは当たり前という結論。機屋というのは苦しい過去を乗り越え常に苦しい局面で仕事している人たちなので商売において人情味をもっていることが多く損をしてでも育てたい気持ちがあるので、小ロットは商売抜きに、人情で作っているケースがほとんどじゃないでしょうか。
私も実際、昨日、お客さんが空いたときに、2000mというプリントのロットを小さくしてほしいというお話をプリント会社に頼みに行ったりもして逆のケースもしかりで、それがたとえば10分の1の200mだとどうかというとモノづくりを知っているだけに仕事としては受けた側に仕事をして大きな損が生じ、続かないということよくわかるのです。プリント会社の方もいっておられたのですが、2000mというのも海外の1m100円の生地にプリントを載せるから成り立つ仕事なのだと。
今回の出展で気がついたのは、ほかの出展されていた織物会社の社長さんとお話をしてみて、織っているものは違っても、機屋の経営というものは似ているなあと思ったのです。商売に対する考え方も似ていないと続かないと思うところで、会場でお話をしていても、自分にメリットをというよりも私のほうにチャンスがないだろうかとアイデアを考えていて下さるケースが多いのです。