for English speakers: Welcome to HayashiyoWelcome to Hayashiyo
リネンや麻を織る日々をつづっています。
ホームリネン日記テキスタイルマルシェ4日目
リネン日記
テキスタイルマルシェ4日目
2014年03月15日
今日はテキスタイルマルシェ4日目。いつもネットをご覧くださっている兵庫県にお住まいの方がお越し下さり、興味深いお話。その方が子供の頃にお父様が地元の会合で、桐箱に入った近江上布のハンカチを貰ってこられ、綺麗だなあと子供心に思ったという思い出を教えて下さいました。

桐箱に入れた近江上布ハンカチというのは、組合、商工会、金融機関の会合などの記念品として特別にご用意させていただくために、昭和の中頃に林与が始めたもので、たぶん、それは林与の近江上布だろうなあとお話をお聞きして嬉しかったのです。

手織りの近江上布ハンカチは、もう残り少なくなってしまいましたが、手にしていただいた皆様のお記憶の中には残っていて、ものづくりの価値というのはものそのものじゃなく、ほかの思い出とも連動して作られるものなのだろうと思います。この方の場合は、小さなころのお父様が貰ってこられて御見せになられた思い出や彦根に住んで居られたこととも重なって、よいイメージを持っていただいている。

私自身もそのお話をお聞きして、自分が子供の頃に、近江上布絣柄のハンカチを、母親が私が使うように用意しても、使うのが普通のハンカチと違うので恥ずかしかったのを覚えていたりで、近江上布ハンカチに関してちょっとトラウマの思い出が蘇ってきました。私もものづくりをする立場となって、一番くらいにその特別な価値の世界を守りたいなあと考えています。