2014年06月12日
今日は午後から、「クリエーターX伝統産業」という講習会が草津でありました。講師の先生が、手で作るというところを重視し、その背景的なところを軽んじたがため、伝統産業が衰退したというお話を聞いて、トキの保護や絶滅を思い出します。周囲の環境をボロボロにしながら一方でそういうものを保護しようなんて不可能というあたり国もわからないと駄目です。日本独特のものなんて独特の自然や文化があるから成り立っている微妙なもので、それを理解しないと存続は難しいのです。
また、達成するぞという気持ちが大事だというようなことを強調されていて、今の人の少ない時代に適合した考えをお持ちであると思いました。また、いつまでもやらないひとというのは、「しようと思っている」とか「考えている」とかの語尾。「これをやった、あれをやった」とやったことを言える人間にならないと駄目だということ実感します。私もとりあえず最初の一歩を進めてみることが大事だと思っている派で、やらないで頭の中だけで考えているだけでは何もしていないのと同じことです。
伝統産業で普通にやっていることを応用して新たな形に変えるというアプローチは、販路も含め持ち得ないとなかなか現実的には実現をしないものです。講師の先生は、販路開拓にも長けておられ、手がけた商品をシアトルの町に売り込みにいくなど行動力は抜群の方です。そういう数個からのチャンスを大事に育んで行く気持ちのある職人ならコラボは成果となると思います。まあ、伝統産業の人というのは過去の栄誉に縋り、仕事があるのが当たり前の気分でいて、一つの仕事や一つの成功を喜べるほど謙虚じゃないことも多いものです。
また、日本市場は人口がどんどん減り高齢化が進む傾向にあるのだから、とくに高齢者向けのアイテムでない場合には日本の市場規模はさらに小さくなるということ。こういうのって、現実問題として正解で、小ロット対応しているものづくりが、何十年かあとには、さらに半分の量での生産に対応しないとならないということに対しての準備は必要です。今でも苦しいといわれるものづくり産業がどう考えても超えることは無理だろうといえる壁が待ち構えているというところで、ものづくり企業の廃業は加速するだろうといえます。
日本の商慣習に関してもいわれていていました。講師の先生の考えておられることと私の考えていることというか、考え方が非常に似ていて、断片的にいろんな日本の中で仕事をする上での壁があるところ、自分で超えていかないと新しいものづくりはできないに結びついていくものです。私自身は、ものづくりで難しいところは需要はうまれても、生産や供給を成り立たせることの難しさだろうと思います。
夕方会社に戻って、東京から「セコリ荘」の宮浦さんがお越し下さいました。東京では若い方が、自分で道を切り開いておられるのを感じ、私自身も道を切り開いて産地での麻織というものが続いていて、ゼロやマイナスからでも組み上げていく、人の力というものがやはり大事だなあと感じます。私が話したのは、織る部分以外での失敗談や苦労話がほとんどそれが織物の仕事で、幸せなのは自分の作った布をよいと思って買ってくれる人がいること。