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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
カシミヤ
2014年07月10日
縦にリネン、横にカシミヤの織物を織る。この織物の問題は、カシミヤの糸が太すぎることで毛番の6番手。通常の織物のようには糸が扱えない。見本のときにその問題に直面して対策を考えた。うまく行って見本はクリアできた。

今、本生産。心配をしていたことが起きる。また、対策を考える。うまくクリアできた。こういうのをノウハウというのだろうけども、仕事を受けたからには出来ないというのは、それがたとえ糸の問題であっても自分で解決をしないと目の前の仕事も進まない。今までの経験というのでは仕事にならず、どんな問題でもつぎつぎに解決していく能力がないとやりかけだらけの仕事ばかりになってしまってどうしようもなくなる。

新しいものを作るときには、ぎりぎりクリアしていることが多いので、少しコンディションが違ったりすると織れなかったりすることも多い。リネンなんかは糸のロット差だけで、十分に糸が違うと思えるほど、ぎりぎりの調整で織る織物というのは微妙。リネンの太い糸の場合はカシミヤ以上に厄介だったりする。

糸が扱いやすいのは、やはり40番手近辺だろう。毛番でいうと26番手。なんで、糸の番手が違うのかというと。たぶん、通常使う糸のレンジを、50番手を普通くらいの糸という風にあらわしたかったという人間の心理が働いているのではないだろうか。100番手くらいで、通常の糸としては太さの上限となろう。林与の想像でしかないけども正しいんじゃあないだろうか。

糸なんて湿度によって水分率が変わるので、昔だとそれほど厳密には番手計算はできなかったろう。紡績してすぐというのは、リネンの場合だと水分率が高い状態のはずだ。基本、リネン糸の場合、公定水分率は12%といわれているが、水分率が0でないと駄目なくらいに、箱に入っている糸の重さというのは計ってみると少な目であることがほとんど。ヨーロッパ、アジアの糸共通の問題である。日本の糸の場合は正しい重さで送られてくる。その辺りも文化の違いそのものだろう。