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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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2014年07月14日
今日は午後から3件のお客様。あいにくの雨の中です。

いつもお客様に来ていただくときに、布をどう整理しようかと思うこと。反物やマス見本はなるべく引っ張り出さないほうが良いのは判っていても、それをやっちゃいがちで、収拾がつかなくなる。スワッチの状態では実際の生地感というものは伝わらないことも多いので、大きい目のマス見本のままや大きいサンプルのまま残しておいたほうが、特別な提案の仕方でよいだろうというのが林与の見せ方。展示会のようなハンガーが苦手で、今度のミラノウニカ向けには、会場で提案しやすいようにハンガー整備する予定。

サンプルというのは営業マンだといわれます。あるいは、サンプル自体も作品として作り上げることが大事であるということでしょう。糸見本などをみると、普段の糸とは見え方が違うので、正直に、これって綺麗過ぎますよね、というと。分かりますか、つやを出すためにオイリングしてあるんですよ、と。

自分が今使っているものよりも綺麗に見えるので、つい使いたくなる衝動をもたらすのだろうが、それを見破れる人というのは少ないだろう。届いた糸がマットな感じで別物に思えてもそれは正常の感覚。

これはスーパーに並ぶ野菜にも共通。綺麗に見えるリンゴやブドウが本来の姿ではなく、ワックスが掛かっているから。ワックスが掛かっていない食品をみても白っぽく見えて光沢がなく良いものに思えないからでしょう。

今日の最後のお客様は何軒も回ったあとになんと自分の脚で駅から歩いて、普段から侮れないと思いながらもやることガッツがあって頼もしい。昔のようには今は仕事がないのを嘆いて仕事をもらえるのが当たり前のようにいわれる昔の人があるけど、外の世界は自分自身が一つ一つ仕事を取るために種を撒いて育てるところから。自分がする仕事がなければ、自分で仕事をするために種を撒くことから、そういうのがまともな精神で、職人のものづくりの正しい感覚を維持するのにも役立つ。