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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
短ピン、長ピンドロッパー
2014年07月16日
今日はシャトルの台に、長ピンのドロッパーの機をセッティング。シャトル織機は基本短ピンなので、長ピンにしたくなかったのだがこの機を長ピンにした理由というのは、本数の多い機ながらもいろいろな柄を短期間で作りたかったので、タイイングマシンで繋げるようにするため。

長ピンだとアゼを取りやすいので、途中でビームを上げたりすることも可能で、自由度は高くなる。しかし、シャトル織機が何十年も使える理由は耐久性ではなく、自由度の高さにあろうかと思う。耐久性の面からすると自由度が高いので一回で大きなクラッシュになりやすい。鋳物でしっかりと作られているので、各部品は丈夫。また、いざというときには壊れるものは壊れなさいという配慮。

シャトルが木で出来ているのも壊れやすくあるべきだということなのだろう。木なので、ささくれたりもするけれども、それを磨いて引っ掛かりが少なくなるようにしたり、完璧じゃない形のものでも役をなすという部分は、私の中では高評価の部分。部品が少し消耗したからといって交換して精度を守らないと正しいものができないので、交換というのが理想なのか?

私は半導体工場で働いたことがあるけど、そこでは、部品にライフというものが決められていてある程度つかったら交換という形。ある程度使うと消耗して交換が前提なので、もともと部品も丈夫に出来ていないということもある。

織物で使うのは織機の部品だけでなく、はさみも道具の一つだがはさみの概念からしても、一生モノとして使う挟みと、消耗品として使う挟みの使い分けはあろうかと思う。これはしいて言えば、職人についても同じで一生仕事を貫きたい人もいればその日だけの考えの人もいる、出来上がるモノにして同じだろう。