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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
大阪
2014年07月23日
今日は朝から大阪、朝駅に向かう途中、集落の運動公園でのラジオ体操の小学生が目に入る。父兄も参加しているが、印象、昔とくらべると子供の人数は少ないなあ。田舎で年寄りの数が増え子供の数が減るのかわかる気もする。伝統的な地場産業の衰退と同じような問題を抱えているように思う。小さな地域の枠に縛ってしまうと外の世界が見えず、いつまでも時代の流れに対応ができないもので、次の世代はないという流れを生みやすい。腕白でもいいたくましく育ってほしい丸大ハムみたいなのでないと、理想的に見えるうわべだけのまとまりでは、典型的な田舎社会や伝統的な地場産業を支えて行くのすら難しいんじゃあないだろうか。

午前中は、アパレルさんに出向いて商談。商談のあと、テキスタイルマルシェでお世話になっている朝比奈さんの事務所に伺った。始めて知ったのだが、国産の蚕からシルクの糸を取るというプロジェクトがあるそうで、気の遠くなる話なのだが、テキスタイルマルシェの東さんも、365コットンプロジェクトで国産の綿を育てるところから。産業としては衰退しきってしてしまった一番川上の存続が難しいところから立て直して行くと、競争とは違う新たな価値観というのが見えてくるものだし、自分たちがつくるとかつくる人を支えるとか、そのためにはどういう考え方や、ものをつくる以外の部分で成り立たせるためには何が必要なのかというところも見えてくるだろう。

困難な事業だとは思えるけど、そういうのに取り組める人の存在こそが貴重なんだろうと思う。繊維でもう一つ難しいのは分業で成り立つというところ。技術はあっても分業体制の中では人という要素の問題が常に付きまとう。何年も育んでも、どこか欠けるとたちまち存続が難しくなるというような話にもなりかねない。これは、日ごろ仕事していても数年前にはできたものが今はできなくなってしまっているということを多く経験しているので、最初が良くてもそれが長く続くというのは限らないというところも考慮にはいれておかないと、永続的な事業として長く続けることは難しいという辺りだろうと思う。

国産蚕のシルクの糸、本当に綺麗。皆さんの夢がいっぱい詰まっている分、余計に光っているように思えます。