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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
台風11号
2014年08月09日
お盆休みに入りましたが、それよりも台風11号の暴風雨が日本を襲う。滋賀県はまだ比較的台風の影響の少ない場所にいるんだなあと思う。母親の親元が比較的琵琶湖の近いところにあり、子供の頃というのはダムが無かったこともあってか、台風の影響が今以上にあったが、親元の人というのは台風には慣れているようで、台風の次の日には、朝から忙しそうに田んぼや水路に上がってきた鯉を探しにいく、農家でも60cmほどの鯉が捕れるのだ。

母の親元と言うのは家の中に外の水路とつながったイケスがあって、大きな鯉が20匹ほどは泳いでいた。親戚が集まるお盆などにはその鯉を一匹上げて甘煮にするというのもあった。親元のうどんは家のうどんよりも10倍は甘いのが不思議で、当時子供の私にとっては家のうどんよりもおいしく思えた。

母親のお母さん、すわなち、私の母方のお祖母さんも強い人で、近所の夏祭りの金魚すくいで小さいのしかすくえなくても、金魚すくい担当の若い兄ちゃんに、この大きいのとこの大きいのタイ(頂戴)といって、一番大きな2匹が自分の袋に入ったのは子供ながらにうれしいというより複雑な気分だった。お祖母さんが、私には見せない厳しさをほかの人には見せたのを見たという部分にそれを感じたのだろう。昔の人というのは強く生きないと生きていくことすらもできないのだ。

一方で、支え合って生きていくことが許された時代でもあったのだろうと思う。親戚が困れば、家族のために貯めたお金を親戚に融通するのも普通だった。今でいうと歯止めを超えた支援というものができたのが生きていくのが苦しかった時代。逆に、親戚の人のつながりを強める働きをしていたのだろうと思える。

現代というのはオブラートに厳しさを包み込んで厳しくないように見せているだけだろうと思える。ゆったりとした考えの人が多い中でそれでは成り立たないので誰かがそれを補って働く必要が生まれる。繊維業界においてもそもそも昔のような需要がないのだから、需要にしても生み出していくしかないのだが生み出し育てようなんて考えることができる人というのも供給側には少ないのだ。