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リネンや麻を織る日々をつづっています。
リネン日記
2014年08月10日
午前中は、台風が過ぎるタイミングにでしょうが、土砂降りで、そのタイミングに倉庫に糸の在庫の確認に行ったところ、屋根が塗炭なので2Fで探し物をしていると大演奏。建物って不思議に長く持つものだなあと。この倉庫は、おじいさんの頃に300万円で建てたという話。もう半世紀以上。

倉庫の中には使わない糸も残っていて、ナイロン巻きの糸は思い出深い。私が一生懸命に使い切ろうと思って在庫を調べながらなんとか最後の注文で糸も少なくなってうまく糸を使いきれたと思ったら。先代がまた糸を染めてナイロンを巻いて1トンの糸作った。作ったが需要も過ぎてまったく使わずに眠ったまま。この糸の40ケースだけでも一つ倉庫を建て替えられるほどの在庫。良い時代のものづくりというのはすべてが簡単でそんなもの。

それでも、よい時代にものづくりをしたので、今の時代に手に入る以上に、いろいろな良い糸が残っているのがまだ救い。120番手のキヌアサの糸なども5ケースほど残っている。糸が細いというだけでなく、昔の糸は完璧さが違う。この糸にしても50年以上昔に紡績されたものだろうと思う。アイリッシュリネンの140番手なども、今の150番手と同浴で染めて使ってみたが、アイリッシュリネンのほうが糸が強い。現行の150番手は弱い。

在庫の糸を見ると何をどの糸で作っていたのかが分かるので面白いといえば面白いが、織物の会社でこれほど糸の残っている会社も珍しいだろう。が、今の時代には、同じことをやったら駄目で、直さないといけない部分でもある。