2014年09月13日
日本にもどった、今回は中国経由。行きは北京でのトランジットだったけど、帰りは上海での乗り換え。上海では一度、中国入国と出国という形で、日本行きの便に載ることになる。浦東国際空港のなかの味千ラーメンを食べた。手持ちの中国元がないので、日本円で支払えそうなお店だろうと思ったから。
ラーメンの味は、日本国内で食べるラーメンからすると味が劣るが、空港で食べるものということを割り切るなら、円で支払いを受け付けてくれるだけでもありがたい。早朝で空港内が寒く、暖かいものを食べたい状況だったので嬉しい。
関空まで戻ってくるともう普通の日常。1週間旅行していたことが遠い過去のことのように思われる。夕方、家に戻り、仕事モード。飛行機の中でも普段以上によく寝ることが出来たし、今回は時間にも余裕があって大きなトラブルもない海外だった。準備し忘れた物もなかったし。
ミラノウニカ仕様のブースもよく出来ている、ハンガーを並べるだけでそこそこの雰囲気が出て、また、ブース内にテーブルを置くだけでほかに置くと邪魔にみえるくらいなので、ハンガーとメモだけあればよい感じの出展ができるのだ。これなら次回は展示会当日の朝に1時間で準備も可能に思える。
林与の出展で、生地ハンガーの展示だけじゃなく、ストールとワンピースという製品の形での展示にしたので、それが目立って、ブースの奥まで見に来てもらえる一つの要因になったのではなかろうかと思う部分もある。ヨーロッパの方にも受け入れられやすい柔らかさにしたのも正解であったろうと思う。ストールなどは頬に擦り付けて肌触りを確認されていた。
普段は注文数量や在庫の有無で値段なども変わってくるので、ハンガーに値段を表示しないのだが、今回は言葉が通じ難いので値段をすべてのハンガーに値段も記載した。ヨーロッパの方でも、林与のリネンの値段を見て驚かれることが多い。細番手のアイリッシュリネンなども効果ながら混ぜておいたが、アイリッシュリネンを選ばれた方は本当に多い。手が出ないけども、スワッチを少しでもよいのでほしいとおっしゃって下さる方もおられ、こういうリネンがあるということをヨーロッパの方に知ってもらうことも展示会出展の意義だと思う。
林与の細番手リネンに置き換えて近江上布の柄を展開するプロジェクトは、十分受け入れられたと思う。ヨーロッパでも近江上布のアーカイブを何十人ものデザイナーさんたちが食い入るように見てくださった。始めてこんなのをみたと驚いてくださるケースがほとんど。林与が恵まれているのは歴史的な背景にも恵まれていて、おじいさんの時代のモノづくりが今世界の人を魅了する。さて、私がどうそれを引き継いでいけるのかだが、一つはプリントという形、もう一つは絣での再現もあろうか。
戦後の麻の禁制が解けた後の15年のモノづくりが布の世界では人々に感銘を与える。仕事を超えて、フランス人のファッションプレス関連のデザイナーの方やイタリアのデザインの先生と初対面で一時間とか二時間、ものづくりがどうあるべきか話をしたり、その方たちというのが60歳くらいの方々だったりして、初対面で打ち解けて話せるというのも布の力の持つなんじゃあないだろうかと思うのだ。
今回のミラノウニカは、大満足の結果に終わった。林与自身の力だけじゃなく、たくさんの皆さんに助けてもらっての成果で感謝したい。ミラノウニカに来ておられる皆さんというのは前向きに動いておられる方ばかりで、そういう日本チームの一員として参加させていただけたことも、日本の繊維業界の元気な皆さんとの出会いをいただけてよかったと思う。
地元の能登川の駅で迎えの車に乗ろうとすると、ファブリカ村の陽子さんもお客さんを送ってこられたようでお出会いしてちょこっと雑談。イタリアから帰ってきたというご報告すると、麻組合さんもこの9月パリのメゾンデオブジェに出展されているお話。パリでも日本の伝統工芸の展示は好評価を得たのではないかと思う。