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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
厚織
2014年09月28日
不思議なことにずーっと調子よく織っていた台で、厚織の布がだぶる問題が発生。いろいろなところを再調整するが、なかなかダブって織れないので困った。気がついたのが、テンプルの角度が両方とも変わってしまっていて機能していない。これではテンプルがテンプルとしての機能を果たしていないので、だぶるのも仕方ない。

今日は、午前中、近くの機屋さんへいって織機を見せてもらう。織っているものが、今の林与のものとはまったく違う世界で、林与でいうと50年前の世界がそこにはまだある。社長のお話を聞いていると堅実極まりない経営で、和装の世界が縮小する流れの中でも生き残られたのには大きな理由があるのがわかる。

大事に大事に守ってこられた織機たち、織機の癖なども織機の上に貼られたメモに書き留められ、完璧に調整をしてもまだ織るのが難しい織物であるということが分かる。難しい織物で低速なので非常に地道な仕事、でも、その世界が途絶えるともう復活はないだろうと思える。

織物の問題点などを聞いていても、私が普段苦戦している問題と共通の問題を問題としてみておられるぎりぎりに挑んでおられる機屋さんそのものなのだが、先代の世代の方で今も朝の6時半から織機を動かしておられるというのを聞いて、私はまだ若いのだからそれ以上のことをやらねば超えられないだろうと思った。

いろいろな先生方の経営に関する講演会があるけれども、経営における成功の定義すらもが微妙なことが多い。業界で生き残ることよりも業界を支えることを視点におくような経営が理想ではないのだろうか。