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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
多能工
2014年10月03日
今日は朝から出荷前の検反、検長作業。こういう作業も、織物の基本作業の一つ。織ったものが自分の織った反物を確認することができないという状態というのは一番危ない状態で、織る仕事すら任せられないという状態につながる。

インドに行ったときに、服一着を作れる人を単能工に変えるのが大変だという工場長の話を聞いて、それがインドでの成功の秘訣であると思った。日本がインドの手法と似ているどうなるのか、確実にインドに負けるであろう。日本では多能工の職人を生み出さねば意味がないという結論になる。これは一国の文化を要する方向性。ものづくりの一からを分かるだけでなく、実際に作業できる人が必要なのだが、日本の現場では、そういう人って本当に少ない。

何年もの積み重ねよりも、新しいことをその場で吸収し実践する力がなければならないので、経験が邪魔をすることが多い。経験の長い職人というのは経験が邪魔をして、新しいものをつくろうとするとできないという話から始まる。仕事で食べていくには越えないといけない壁をいつまでも越えないみたいなあたりが、産業の衰退と大きく関係しているように思うのだ。