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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
四条河原町阪急閉店
2010年02月01日
今日、新聞社の方とお話をしていたら京都の四条河原町阪急が閉店となるというニュースを聞きました。高校、大学時代京都に住んでいたので待ち合わせによく使った馴染みが深い場所です。人を集める待ち合わせの場所ですら、売り上げが落ち込んでいるとのことです。

昔、京都の駅前には歩いて5分ほどのところに近鉄百貨店というのがありましたが、京都駅ビル自体に伊勢丹さんがオープンされてからは、近鉄百貨店さんへのお客さんの流れが止まってしまったようで、近鉄百貨店さんも閉じられてしまいました。

百貨店というと普遍的なものかと思いきや、今の時代、スクラップアンドビルトの形で、あっさりと閉店されてしまうような感があります。林与のリネンにしても、最終は、百貨店ブランドの商品として洋服として販売されておりますので、百貨店のバイヤーさんのリネンの品質や産地へのこだわりに対する要求というものが高ければ高いほどありがたく、良い物を求めて百貨店に来られるニーズにこたえられる形になるのではないかと思います。

百貨店さんやブランドさんにとっては、今の時代にありがちな産地偽装問題は致命的な要素ですので、生地の産地やリネンの原産地に関しての適切なアドバイスもできるのが林与の強みです。ブランドさんにしても産地にしても、セールス文句が一人歩きして、間違った方向でセールスしてしまうと訂正も難しいですし、全国的に新聞記事になってしまうようなリコール問題につながるので、しっかりとした産地の説明や表記が必要かと思います。

売り文句を信じて、特別のリネンをわざわざ購入されたと思っているほとんどの消費者が、リネンの誤った産地表記を信じておられるのをみると商品の良し悪しは別にして気の毒に思います。手にされたリネンや製品が実際にどういう経路で作られたものなのか、よいイメージだけを一人歩きさせようとして、今の時代のリネン業界の正しい情報が消費者に伝わっていないのです。

実際のところ、売っておられる方は、そこまでのリネンのことを知っておられない可能性が高いです。ブランドの方もリネンのお話をすると、アイリッシュリネン、フレンチリネン、ベルギーリネンをやってますとか、いわれるケースが多いのですが、私が、それは中国で紡績された糸で珍しいことではありませんよ、リネン業界では当たり前の話をすると、私の話を聞くまでは完全に北アイルランド、フランス、ベルギーで紡績され糸で作られている特別の生地を製品にしていると信じておられたようで驚かれることが多いです。

生地の産地にしても、本場近江湖東産地で織られる麻生地というのは本当に少なくなっており、驚かれることが多いのです。本格的なものを守り続けるということはそれほど難しくなってきているということで、実際に産地でものづくりをしている人間からすると、危ない橋を渡っておられるなあというのが印象です。