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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
三代
2015年04月21日
今日は、朝から加工出しの準備。

三代のお付き合いをいただいた大阪の糸商さんが、社長が高齢で後継者もおられないことから4月末を目処に閉じられるご挨拶に来て下さいました。糸を右から左だけでなく、作る仕事をされていた分が、大変だったというお話でした。それは、自分でつくるとお金を寝かせることになるのでという意味で、テキスタイルを自分でつくるのと同じ苦労だなあと思います。

そういう重荷の部分を減らそうとみんな海外生産に移行をするのです。海外で作れば同じようなことが何分の一ででき、利幅が確保できる。でも、同じじゃないのはつくる苦労をしなくなったこと、経営者が重荷を減らす味を覚えてしまうことで、これは働く人が同じことを考えて仕事するとものづくりの会社って続かなくなる要素じゃないのかなあと思えます。

仕事なのに負担を減らすばかりを考えがちになっているのは、どういうことなのかと思うところがありますが、織物の小さな会社をしていても仕事の半分以上が織るという作業に集中ができないという部分があろうかと思います。織るという作業に集中している会社というのは単能工的でやはり逆境に弱いものです。自分で企画して売る力をもってものづくりしていないと、作っている立場がやはり企画力でも謳いの部分でも一番強いのにその強みを生かせないということがあろうかといえます。

三代お取引が続いたということはやはり苦労を分かち合えたというところだと思えるのです。商売を閉じられるのは残念な気もしますが最後も綺麗に閉じられてしっかりとした経営なのが目立たないながらも理想の局地です。その方が最初、会社に営業に来られたときに、私のおじいさんが首を縦に振らなかったという話が出てきました。

昔というのは仕事させてもらうにも大きなハードルがあった。働く人にしてもできなければダメというのが当たり前。それがものの価値を生むのに繋がったと思うところがあります。家族以上に仕事のお付き合いを大切にしたから、家が守れた幸せな生活を手にできたという部分があったのだろうなあと、林与的な自分勝手な解釈ばかり。