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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
暖冬
2015年12月05日
ほんと、暖冬だなあと思える。12月に入って、もうすぐ年末なのにこの暖かさ。日本のアパレル業界にとっては、暖冬というのはマイナス要因だろう。日本は季節があるから、春夏の服が売れて、秋冬の服が売れる。

日本も雪が降らなくなると日本らしい文化が衰退するのじゃないかと思えるのは、雪深い地域で織物のような忍耐の必要な作業が行われたこと。かつての近江湖東地域も田園には恵まれたものの冬場は雪に包まれて、村からもでることが難しい状況。

一般に琵琶湖があって湿度が高いことが近江湖東産地の麻織物が盛んである理由といわれるが、湖岸では資材系の荒い織物、細い番手のものというのは山側で織られたということからしても、雪深かったことと関係があるのではないかと思える。それと地理的な要因よりも、さらには人という要素や歴史的要素が相当大きいものだろうと思える。

東円堂という場所も、古代から奈良の寺領という土地柄で、律令制度から逃れて裕福な土地柄であったというのも普通とは違う織物を育むのには適していただろうし、また、神仏とあいまって母屋の先祖代々の仏壇や田畑を守るというようなことが何をもっても一番大事というようなあたりも、母屋を安泰的に存えさせる要因となった。織物もその流れの中に存在し、代々受け継がれていたのだろうと考えられる。