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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
月末
2010年02月28日
今日は、月末の日曜日、会社が動いていない合間に、私は一人、50年以上昔の手績糸とにらめっこです。幅の広めの織物を織りたかったので、縦がリネン66番手の生成の掛かっているところで、糸のテストです。

まず、シャトルの管に糸を巻くところから始ります。通常なら、糸は、シュワイターと呼ばれる糸巻機で、シャトルの管に巻くことが出来るのですが、この糸は、新聞紙に包んであるような状態のもので、手ごわさが違います。イメージからすると、乾燥した草の繊維をつなぎ合わせたようなものなので、糸というよりも繊細な藁という感じです。

何時間も掛けて巻き上げて、一本一本手織りのように織ってみました。織れた!です。生糸を織ったような光沢があり、縦のベルギーフランスフラックス原料を使用してあるリネンですら、まったく、くすんで見えます。私自身、今まで、麻で、こんな織物は見たことがありません。これが「きぬあさ」と呼ばれるものなのかという感動の世界ですが、横糸一本ごとに繊維が一本使われているような織物なので、気が遠くなります。

年代を経ているせいで、糸自体はビンテージな小麦っぽい色に変色しているので、雰囲気があってよいと思うのですが、実際に、使うとなると晒したらきっときれいな織物に仕上がると思います。いろいろな試行錯誤取り組みの中で、日本の麻織物のお手本ともいえる、アパレル向けの林与の本麻手もみ100番シリーズを生み出し、今も、麻織物の本場近江湖東産地の本麻織物を代表する商品として守り続けています。