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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
二宮とみ先生
2016年05月03日
東京の二宮とみ先生のアトリエで、横絣の染料と捺染方法について教えてもらう。林与と二宮さんとの出会いは、東京の伊勢丹新宿店でのジャパンテキスタイルのみの市。テキスタイルデザイン協会のご紹介で、日展などで自分の作品を発表されていたりして、技法だけでなく、創作的な活動をされている方だなあという理解でいたのですが、横絣のプロジェクトで、林与のような機屋が通常のプリントとは別に、作品的なものづくりをするときに、二宮さんのような個人で創作活動をされておられる方に教えていただくのが一番よいのではないかと思って東京に飛び込んでレッスンを受けてきました。

初めてのお出会いのときにも、テキスタイルツリーの成田さんと二宮さんがお知り合いで、びっくりしました。そして、成田さんがご紹介下さった奥田染工さんで、二宮さんが昔修行をされていたとのことを今日お話している中で知って、また、びっくり。東京に知り合いも少ないですが、なんか強い方とのご縁に恵まれているのだなあと自分の中で感心。

横糸の染色に関しては、技法を吟味、昔はおじいさんが近江上布の横絣技法を進化させたので、今の私は私なりに、横絣技法を考えたいと思っており、本業ではないところの捺染工程は無理のない範囲でやりたいと考えるときに、お家のアトリエで作品つくりを完結されている二宮さんのモデルはベスト。

今回の林与の創作もプリントとは別ラインで、海外の有名ブランドのオートクチュール向けの作品を作ること。たくさん売ることは考えずに、力のある布を生み出すことが一番の目的で、1点もの的な濃い布の世界を復活したい。価格面や量産と量産のときの品質なったときには、プリント工場にプリントとしてお願いすればよい。

雑談のほうが長かったくらいに、作業は自体1時間から2時間程度であったろうか、目標としていたこと以上に、横糸に捺染も終わって、それを持って帰って一度織るという段階に。染料の廃番の話や染料の安全性の問題もあって、昔の技法に染色方法にはこだわらず、反応染料が一番悩むことが少なそうなので反応染料にしようと決める。

二宮さんは、大学でも講師をされているので、染めのことに関してはカバーされている知識が広く実践的で、聞いた疑問点に関してはどこどこの何があるからとそれを使ってみるとできますという、自分の経験に基づいて方法を教えて下さる。プロジェクトをはじめる一番最初の段階で、二宮さんの指導を受けて、今やりたいことの具体的な方法が見つかり、また、今後の技法の変化の余地も広がったに思う。

最後に、二宮さんの魚の絵の作品をみせてもらった。作業のやり過ぎで、肩があがらなくなってしまったとかおっしゃっておられる意味がよくわかった。技法だけでなく、頭のなかにデザインがあるのだなあと、特別な人であるのを感じる。幼稚園で毎日、クレヨンで、小さな魚の群れの絵を描くのが私の日課であった、楽しかったのを思い出した。なにごとにも打算的でない人というのはとことんまでできて強く、生み出されるものもいい感じなのである。私自身も、あと20年後とか30年後にそういう風にありたいものである。