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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
テキスタイルマルシェ6日目
2016年07月11日
今日はテキスタイルマルシェが終わってから打ち上げ。普段一人で仕事することの多い人というのは、私もそうかもしれないが外からすると驚くようなぶっきらぼうなことを言うものなのだろう。男性人の口の悪い件の話が出ていて、女性人が冗談交じりに指摘。

どういうあたりで、話をするのかというのは集まる面子次第なんだろうと思う。私自身はテキスタイルマルシェで、ほかの会社さんが取り組まれていることなどを聞くと自分もがんばらないとなあと思うことも多いし、ほかの社長さんたちと話をすることで、自分の感覚というのがどの程度一般的には通用するのかというのも雰囲気がつかめる。

自分を殺して人に合わせることのできる聞き上手な社長さんというのは立派だなあと思う。聞いておられるのに私が喋っているときにでも、その方の聞き上手に驚いてしまうことが多い。経験が豊富なので自分の体験のように聞いてくださり、また、聞いた後適切な助言なども下さる。テキスタイルマルシェではないが、話をすると自分が上か下か、勝ち負けで話をしようとする方もおられて、それって話する目的じゃないと思う。

林与なんて、やるからにはとことんというところがあるので、自分が動くときにはやるからにはとことんなところまでやってしまうところがある。それがあるから普通は普通にやってできないことが5倍10倍の時間を使ってできたりする。外の社会というのは日本のものづくりにそういうところを求めてくださっているのだろうと思い、林与のような会社には合ったスタイルではないかと思える。別のアプローチとしては量産型で価格競争力で勝負するような会社さんもあるだろうが、林与の場合それは無理な話。

お客様などでも弊社の生産環境や生地に興味を持ってくださるが、ベクトルが同じだと相乗効果が期待できる。ベクトルが逆方向だとブレーキとアクセルを踏むようなものづくりになる。林与という会社はものづくりに関しては自由度の高い会社で、手元にある材料でそれなりのものを作り上げることができ、何か作ろうとするときにアイデアが形になりやすい。会社にある着分などでもひとつに10万円とか掛かっているものが多く、作らずしてもそれを見れば大体こういうことだなあというイメージがつかめたりする。

そういう着分をみて、これが全部売れたらよいのにねえとかいってくださるお客様も多いが、洋服をつくられる方というのは、上手な人が、一日二日の作業で洋服が作れたりする。織物の場合は、何人もが、一つに何週間の時間を掛けて作業し、外部に対してもサンプル扱いで費用も掛けてあるので、10万円でそれと同じものを3m作れといわれても商売としては成り立たないことが多い。

テキスタイルマルシェでお隣の澤田さんが、過去のハンガーサンプルを手ごろに販売されていた。プロの私の目からするともったいないなあと思えるくらいなのだが、糸商なので、どのサンプルもデータさえあれば再現が可能ということ。それを聞いて良かったと、安心したと同時に、織物と編み物はそこまでも違うのかと感じる。糸を売るためのサンプルで、糸に強みを持っておられるのが味噌なんだろう。