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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
小幅
2016年07月20日
ガチなものというのは、機屋それぞれが独自の思い入れで生み出してきたものである。ところが、機屋が廃業してしまうと、それまで継続して商品を扱われていた機屋の問屋さんなどのお客さんが商品の継続ができなくなり困られることになる。2年ほど前に廃業される機屋さんの問題でも、機屋さんが、自分のお客さまが困られるので機を動かしてくれる人を探しているという話で打診があった。今回も別の地元の機屋さんが廃業を10年ほど前にだろうかされて、そのお客さんからの商品供給の依頼で加工工場さん経由で林与につくれないかという話が来る。

加工工場さんも、間に入って商売するというよりも、そういうお困りな問題に対して相談にのって解決しようとする。私も同じように自分の今やっている仕事があるなかで、ご相談も受けお困りであるということからお受けする。コンニャク糊加工の細番手ものなので準備費用なども相当掛かり産地の他さんが受けられて同じようなものをやるのは、技術的なことより資金的な面とリスク面で難しいんじゃないかと思える。十分な見本費用となると貰うことは難しいし、見本をやって失敗でお金をもらえなくてもそれでも構わない覚悟でないとこういう仕事というのはできないものだ。何十年も守り続けられていたような商品を一回の試作で再現するという話なのだから。できたからといって、それで食べていける本当の約束も何もなく逆に採算があるのかが心配ではある。

困られているという話で、助ける気持ちで受けることはあるが、一番大変なのは、困られている人以上に助ける側がお金が掛かること。単発の仕事だと新しい商品を生み出してもそれを成り立たせることがまず難しく持ち出しで終わる。業者的なお客さんは自分が売れて儲かるなら注文が出てくるだろうが、企画自体が当初の想定どおりの需要を引き出さなければ、実際の注文に繋がることもない。出来上がったら出来上がったで、最低発注量が大きすぎるからとか、後出しで値段が通らないとかの話も多いのがよくある話。