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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
恵まれて
2016年10月28日
広幅の絣織物の横糸に柄をのせる方法がまとまった。昔の近江上布は金枠を使うが、広い幅の金枠に糸がうまく巻けるのかという問題があって、またその糸を巻き戻す作業などもどうするべきか答えがでずに、この半年、検討や試行錯誤を繰り返してきた。広い幅で絣を完成するというのは、広い幅の機材をあつらえるところから始めないと出来ないのかというところ解決したかったところが、一番問題となっていた部分が解決できた。2月のミラノウニカ、3月のインターテキスタイル上海に向けて見本を作製することになる。

5月に東京に出向いて二宮先生の工房を訪ねて、いろいろと教えていただいた後も、横糸に色を奇麗にのせる方法が思いつかなかったが、この方法だとうまくかすり柄を再現できそうで着分程度の3mの生産ならできそうである。林与にある何千種類の色柄が、広幅の絣として海外の高級ブランドのオートクチュール向けのドレスやワンピース素材として蘇る第一歩。初年度はストールとして、広幅で織り上げる。まずは技法を確立できたということがうれしいことである。

従来の近江上布の技法とは異なる技法を用いることになるのも新しくてよいと思える。私が一番心配する排水問題に対しても、この技法だと社内工程では横糸を染めても汚水が出ないプロセス。生産効率を上げるためにもこの技法は非常に良いし将来的には量産への応用も利き、着分ベースでの量産への対応も可能になりうると考える。日本の麻布の力強い世界を再現することが私の目的で、私自身の力だけでなく、林与の歴史の持つものづくりの力を借りて、さらに発展してゆきたい。別に売れるとか売れないじゃなくて、布の世界で感動や共感してもらえるようなものをつくり、みてもらいたいと思う。

スマップ解散で、ナンバーワンよりオンリーワンみたいなところがあるけども、私から見ると若い世代に思えるメンバーたちが実際にオンリーワン的なものを大事にしているから解散なんだろうと思い、分かる気がするのである。普通になると見失うものがあって、それを通常の慣例とは異なるということで騒動になっているが若い世代の人が真剣に考えているということ、逆に捨てたもんじゃないと思える。アメリカでは反戦派のボブデゥランがノーベル平和賞にそっけない対応、メダルとかノーベルプライズとかじゃなくって、賞を与える側もその中身が大事で、IOCやノーベル財団の資質というものが、個人のほうがモラルが勝るというのもありがちな話で、偉そうなおっさん連中からすると厳しい話ではある。