2016年11月12日
今日は、公認会計士の先生が朝から来てくださって決算。昨今のアパレルさんの縮小などの流れでアパレル向けが少なくなっていることや、昨年度はシャトル織機の移設などあってこの一年ほどは生産キャパが半分くらいに落ちていたことや、働く人の力とうものも大きく左右したことがある。
生産キャパというのは産地の工場でも調整は難しいもので、生産期の3ヶ月ほどの間は手一杯で、他の時期というのはシーズン性のあるアパレル需要は少ない。難しいもので、作ったものが製品になって売れればよいけれど、製品のプロパーな販売期間が3月から7月とか、本当に厚くなる7月20日ころから8月末くらいまではバーゲンシーズンで、早くバーゲンに入った百貨店さんほど勝ち組といわれているだけに、バーゲンではチャラにしかならないメーカーさんなどは生産量を控え、昔は5月ころにあった追加発注なども今は難しいのは良く分かる。
地場産業の現場の人というのは単能工的な仕事がほとんどなので、仕事がないと本当に仕事がないのである。閑散期の分まで繁忙期に仕事できるのかというと無理で、よほど変形労働制などを駆使して繁忙期に極力働くようにしないと難しいだろうと思える。実際に林与も何かトラブルがあれば私が朝まで織機を動かすとか、従業員のミスなどのリカバーを常に考えて生産を成り立たせている側面があるから現場がなんとか成り立つところがある。
繊維産業が国内で生き残るためにはという話で、一つは海外の大量型の生産性でコストも海外と同じ水準でコストで戦う量産型と、量産型とは違う要素を持って生産して高付加価値なものを作るという高付加価値型とが、あるだろう。日本の小さな機屋でも、両方に分かれる。白い無地を中心とした生産で安定して生産して大量に作る賃機屋さんタイプと、色柄組織など含め自社で素材開発するテキスタイルメーカータイプがあると思う。
日本らしいと思える後者型の機屋というのが日本でもほぼ全滅ほどに消えていて海外型に移行、林与の手がける平織無地系は特殊な100番手以上の細番手やオーガニックや、シャトル織りなど自分らしさの残るものづくり。小さくても自力的な部分が消えてしまうとものづくりにも強さがなくなり、他と変わらなくなったら存在価値すらもがなるだろう。現場の人が仕事を理解して強くなければ高付加価値なものづくりなんて無理なのは事実で仕事があるもなしも覚悟してやるかやらないかだけだろうと思う。