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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
2月1日
2017年02月03日
今日は、ミラノウニカ初日、お客様は少なめで、ジャパンパビリオンのロケーションがメイン通路から一番はなれた場所にあるからだろうということと、お天気が悪いということで、2日目に期待するような流れで、お客さんが少ない。1年前のミラノフィエラシティと比べると5分の1くらいだろうか。

ブースに来てくださったお客様の目にには、近江上布柄の広幅での再現というものは、応用範囲も広くて期待してくださっているのが伝わってきて、やはり、自分がやっておかないとならないなあと思えるテーマ。JOBのトレンドコーナーに展示してもらって、自分が作ったときよりもかなりよい感じに見えてよかった、安心である。

日本も捺染系が少ないので、日本の中ではそれなりに目だっていた。ただし、モーダインなどのブースから見えるイタリアの素材などをみていると近江上布の絵柄っぽいプリントものが多くある。自分が面白いなあと思う柄とイタリアの方が興味を示す柄では違いがあって参考になる。自分が面白いと思ったものが、これはイタリアではありきたりみたいなことを教えてもらった。今年度の柄は10柄選び終えているので、来年の試作の参考にしたいと思う。

夜は、雨の振る中、コルサコモ10のギャラリーとか、紹介いただいたレストランにいったり、イータリーという食品館を眺めたりする。イタリアというのは、一つのお店がというのではなくて、全体が統一されている中にスポットがあるといえる。一度作ればそれが何百年も続く石の文化を強く感じる。2月の寒さの中で、石の文化というのも、相当寒いものであるが、人々が洋服を着込む事で対応している部分もよく見かける。ヨーロッパも同じだろうとは思えるが、石の文化というものが雪が降らなくても日本以上に冬の寒さを感じさせる。

もう、一つ前回気がつかなかったのだが、今回は、ミラノに来てから、ずっとお天気が悪くて、でも、それが今の時期のミラノというものらしい、朝は9時になっても薄暗く、夜は夕方4時くらいに暗くなりかけ、太陽の当たる時間が日本の半分くらいか?そういう点では日本という国は恵まれている国だなあと思える。レストランなんかも7時とか8時くらいに閉めるところが多くて、日本料理のお店がたくさんあって人気だったりするのだが、通訳の方にお聞きすると、その多くの経営者は日本人ではなくて、中国系が相当多いらしい。ファーストフードっぽいラーメン屋さんを一軒だけ見かけたてお客さんも数人ははいっていたが、なぜかラーメン一杯が20ユーロを超えているとか?

こういうのは、食文化に終わらず日本のイメージを形成するものだろうと思う。日本料理は高級に見えながらも手軽でおいしいようなイメージ。日本人がこれをミラノでやると日本料理店としてしか存在できず、イタリアで日本料理がブームみたいなことにはなっていないだろう。イタリア人が日本のテキスタイル素材に求めるものと共通する要素を感じ、林与が高級な日本素材そのものを日本感覚で高級なまま作って提案しようとするのが、イタリア人の日本素材のイメージと微妙に異なるのも感じたりはする。もちろん、一般論としてで、例外はあって、展示会場でも、一着が50万円のオートクチュールなものづくりのブランドの方とも出会え、近江上布の広幅絣のターゲットにはなるだろう。日本のブランドさんというか市場では、一着50万円の洋服を提案して成り立っているブランドさんというのはほとんど聞かないが、イタリアにはまだノンリミットなものづくりが通用する部分がいくらか残っている気もする。