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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
活躍の場
2018年02月02日
私自身50歳に近くなって、この業界というのは70歳でも80歳でも現役だったりするので、若い人たちが仕事や業界の中で活躍できる場を見つけることは大事だろうと思う。私が業界に入ってくる若い人に提唱するのが、できる限りカバー範囲を広げ、織物を一人でも作り上げる力を持つこと。これで、自分の思う織物が自分で作れることになる。

別にこの業界と合わないとかでも目の前のことにいろいろと取り組んでいれば、繊維の仕事が繊維の仕事でなくなり共通項も見えてくるものだろうと思う。仕事なんて誰かが進めて完結しないと意味すらもないのだが、守備範囲が狭いと仕事が見えないままのことが多く仕事はあってもできる仕事がないままになる。やるからには能力を高く持つことが大事だろうと思う。

厳しい話になるが先代が長生きしてたら仕事で私の居場所を見つけるのは難しかっただろう。先代が生きているうちはお客様から受けた見本はつくっても、自分自身のつくりたいものというのは一切つくらないということに決めた。亡くなったからには自分が自分でやりたいと思っていたことを思いっきりやってみるという、この仕事についたときに最初の意気込みに戻り20年遅れで再スタートした。

最高のものをつくろうとアイリッシュリネンプロジェクト、現行のリネン150番手を織るプロジェクト、逆にリネン3番手を織るプロジェクト。超高密度織物。ガーゼ織物。シャトル織プロジェクト。柔らかリネンストール、リネンキッチンクロス。糸の直接輸入。海外展示会。ネット販売。店頭販売。自分がやったことのない領域をとことんまでやって、何をどうすれば成り立つのか考えた。生地を企画するとかにはほとんど時間も使うこともできない状況で生地を作る。余力を自分で生み出してやりたいことを実現する。

自分の力だけではなく外の方の暖かい好意に支えていただいたこともいろいろな面であった。今も自分がやりたいことに時間を使えるような状況ではないが、なにかやろうとすると自分で余力を生み出していくしかないと思う。やって失敗を経験するのも別に悪いことではないし、その失敗をリカバーするのも仕事の実力というものだろう。