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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
手間
2018年02月20日
織物の仕事が手間の塊だなあと思うのは、染め上がってくるのに3週間。織る前の準備、整経の糸を割るのに2日、整経に2日、つなぐのに4日、送るのに2日。織る前にですら働きづめでもどこまでも時間が掛かる。織る仕事はたぶん順調にいけば動かす時間をマックスにすれば5日くらいかと。綿の強撚糸の先染で、柄ズレが許されない。織り上げたあとは加工工場で加工。1ヶ月ほど掛かってなんとか一つの仕事がこなせる。

ちょっとの休憩時間に、染料の型染と蒸しのテスト。直接染料だと型染めして終わりだけど、堅牢度が悪いので高級な長く使えるアイテムを染めるのにはより堅牢な反応染料での染。その分蒸す工程を管理する必要がある。先月やったときには、蒸しの温度が十分に上がらずに、洗いを掛けたら色が落ちて3分の1くらいに。温度も管理していたので、温度が足りないことが把握できていて原因も分かっていた。蒸し器の内部温度を100度で12分程度蒸す必要があり、それも技術的に実現可能となって、今の仕事が落ち着いたら広幅の絣織物に着手。

今の段階では小ロットの試作段階ながら、すべての作業を一人の人間がこなしてできるように工程も考えたので、本生産も、極端な話、私一人が数日籠もれば一着分の布ができあがることになる。今年度はワンピース向けのリネン。来年度になる4月からは、本麻での試作に着手ずる。10年前まではできるとは思っていなかった50年前の林与の近江上布を復活させること、さらにアパレルにも使える広幅での復活が見えてきた。オリンピックのころには、より多くの作品を完成をして多くの海外の方に日本の布の力をご覧いただきたいと考えている。