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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
広幅横絣捺染台の改良
2018年05月01日
今日は横絣捺染台を改良、昨日の夕方から取り掛かっていたのだが、程よい部品が手に入らず形にならなかったのだが、今日は朝からコメリに行って、ボルトやナットを入手し、木材をサイズにカットして、くみ上げる。夜10時前にようやく完成。横絣の生産のための準備工程がかなり軽減される予定。

今まで、あーでもない、こーでもないと、いろいろと部品をかき集めて改良のために構想を練ってきたが、満足できるレベルで活用できるものが出来上がって感無量。テキスタイル業界の皆さんからは大きな期待をいただいている広幅絣プロジェクト、私自身の今後のライフワークの一つの柱となるだろうと考えてはいる。

装置は完成しても作るべき最終の目的は布。布の力を感じてもらえるような布を生み出したい。絵画のように人々に語り掛けることのできる布、與一じいさんの近江上布は見た人の心に語り掛ける。今、2年このプロジェクトで、ストールの試作、ワンピース生地の試作。染からはじめたが、工程が相当手間が掛かるので、構想はいろいろ練っても、実際の作業は一発勝負的な部分もあるが、それでもうまく出来上がって、自分自身が面白いなあと思える布が出来上がってきてほっとはしている。

ものがない時代には人がものを生み出していた。自分がなにか作りたければ自分で作るための道具からつくる。一番の基本の道具は、自分の手、体、頭。そこを磨かないことには、今日も他の会社の工場が10年ほど前に廃業の際に譲り受けた50年選手のボール盤を使って、自分の手と頭を使いながら形にしてゆくために穴を開ける。古いボール盤だけど頼りになり、新しいものが欲しいとは思わない。穴を開けたアルミや木材などをボルトとナットで組み合わせて、頭の中にある形に近づけて行く。形だけでなく使用に耐えうる強度も必要で、デザインは理想だけで生まれるのではなく現実的な問題をクリアして行かないと駄目でそこの部分がデザイン以上に難しいところ。頭で考えるだけでは本当にそれがうまく動くのかどうか分からないものである。作ってみて動かしてちゃんと動いて初めて問題がないと分かるのだ。