2018年05月13日
シトシトと雨が降って梅雨に入ったのだろうか?肌寒い毎日。春の陽気は消えて肌寒い5月というのは例年のこと。6月になって暖かくなるのを待とう。
今日は、またガジェットを手に入れた。広幅絣の作業に使う糸繰り作業に使うためのパーツ。買ったパーツを加工して作業で使えるように考える。今日も最初はまったく無理で無駄な買い物になったと思ったが、30分、1時間、工場の中のほかのパーツと組み合わせて糸を巻く木管をセットするとかなりのスピードで綺麗に糸が巻ける状態になり、糸を繰る途中で糸が切れると糸の連続性がなくなるので、糸が切れないように巻ける可能性が高まった。
横絣織物は着尺の狭い幅でも手間が掛かり、横絣の着物生地は上布と呼ばれることが多い。それを広い幅で再現するとなるとより高度な技術が必要となるため絶対に今の時代には無理だと思っていたが、技法や機材の考案や改良は、普段の作業中にいろいろ考えてこつこつと時間を見つけたときに一気に作って試してみて実際に作業をしてみた。途中で問題なく最後まで工程を成し遂げて出来上がったものが案外うまく出来上がりご覧いただいても、欲しいといってくださる方が多いレベルのものであるのは幸運。
伝統工芸の手の掛かる世界と同じような技法で手間も掛かり、幅も3倍以上広くなりすべての工程がより難しくなるけど、人の力でそれを解決できないかと思うのが林与的な考え方。昔の人の5人分くらいの力で動けたら、1つの織物を一晩で生み出すことも可能になるのではないのか。型紙も洋型紙を彫るのだが、この前は手が死にそうになったけど、型紙のカットと準備に30分、コンピュータで図案をデザインして1時間、彫るのに2時間で、トータル4時間で型紙が彫り上がった。非常に速いスピードで実際に使える型紙のような道具も生まれてくる。
最終的な目標は広幅絣の着分を毎日1着分づつ作れるようなスピードになること。自分一人が、どれだけ時間を使っても作れないだろうと思っていたものをご飯を食べるように作る。布の力を感じることができる布が次々と生まれるようなことが私の目標で遠いことではないと思えている。2年前にスタートしたときは、ライフワークでなんとか近江上布アーカイブを広幅で完成できるようになれるかと思ったがこのプロジェクト案外早いペースで現実のものになりそう。捺染に関してプロの道具が中古で手に入ったことが道具つくりや作業の効率化に結びついたような偶然も幸いした。探していたものが目の前にあってそれを譲ってもらうことができた感じ。