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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
よい眺め
2010年04月12日
今日は雨で、昨日満開だった桜が散り落ちてしまい桜も見納め、季節の流れるのは早いものだというのが実感できます。今日のタイトルの良い眺めというのは、景色のことではありません。加工屋さんに、行ったときの現場で職人さんたちが作業しておられる風景というのが良い眺めだなあと思ったのです。

そのような良い眺めの裏には、無駄が多く潜んでいるかもしれません。改善チームが来れば、5人の職人がやる仕事を一人でやれるように機械化、効率化、省力化します。ものの価値観が崩れる瞬間です。

中国に行くと5元のラーメンでも注文すると、小麦粉の塊みたいな状態から、麺を伸ばして1本が2本、2本が4本、4本が8本で、当たり前にラーメンの麺が出来上がっていくのです。他の国じゃあなかなかできないことを、中国のいたるところにある、家族経営のさびれたラーメンやさんが、一人一人のお客のためにやっている、そこに中国4千年のラーメンの美学があると思います。

ラーメンにしても材料がおなじならだれが作ってもおいしく食べられるものができるとは限りません、パフォーマンスだけではないのです。できあがった麺の太さ一つがおいしさを決める要因になるのは、長野のそば道場で、みんなと同じ材料なはずなのに最後の切り方ひとつで極太麺を作って私のだけが特別おいしくなく、楽しい雰囲気だったみんなが私のを試食したら無言になってしまったという経験をもつ林与だからいえることです。一瞬でDNAに経験として刻まれるケースです。みんなと一緒だったら失敗しなかったのに悔やむ一方で、マニュアルや指導に従ったり、規格に従った、みんなと同じものばかり安全に作っていては何十年やっていても、そばづくりの本質は見えないと悟ったのです。そば屋さんでもないのに馬鹿です。