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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
薄い厚い
2018年08月25日
密度の薄い生地を織るときには普通程度の調整で織れても、密度が暑いとなると打ち込みを入れないといけないので、それように調整を加える必要がある。織機のギアを変えるだけでは厚く折れないのである。織機の調整が同じで、糸の番手や織物の企画が同じでも、糸の伸度や強度の問題で、打ち切れなどが起こってうまく織れないこともある。糸の色によって、糸質が変わり、織り易い織りにくいがあったりするのである。麻はそんなものである。

だから、色によって、染料を変えたりすることもある。同じ反応染料でも濃色はどうしても、糸と染料が化学結合の度合いが高いので、糸がコーティングされたようになるので、糸が硬くなることになる。そうすると、糸の物性が変わってくる。同じリネンでも、無染色の糸と黒に染めた糸では物性に大きな違いが出てくる。

たとえば、ボーダー柄を作ったときに、白の部分は水を吸いやすく、黒の部分は水を吸いにくい、という問題があって、白の部分は縮み易いが、黒の部分は縮み難い。ピッチの小さなボーダーならそれほど大きな問題は起こらないけど、10cmのボーダーとかだと、生地幅が、変わってくることがある。それが100cmで5cm違うとかなると、黒の部分がサッカー調になってしまうなども起こる。

テキスタイルデザインというのは、それをコントロールするのもテキスタイルデザインのうちで、そのためには、染料を変えて黒も収縮するように持って行かないと、濃い色の配色はドロップすることになってしまうとか。そういう色による物性の違いの問題は頻繁に起こってしまう状態が良くある。それをどうコントロールするかもテキスタイルデザインの要素。量産型の海外メーカーに多い、問題の少ない薄い色だけに絞って生地提案をするとそういう問題は避けられるのかもしれないが、それがそのメーカーの生地の全体的な特色となってしまう。