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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
デニム
2018年10月01日
この1週間ほど、リネンデニムの調整。リネンデニムは、ほとんど業界でも見かけなかったものだが思い切ってトライしたのが2008年のこと。なぜ、リネンでのデニムが難しいと言われたのかということも良くわかった。織りだけでなく、染色にしても、その後の物性にしても、なかなか手ごわい。それでも、出来上がった布をジーンズにしてみるとすごくいい感じで、これはいけると手ごたえ。2010年には、インテキ上海と合同で行われた、国際テキスタイルコンテストで、林与のリネンデニムブラックが、国際応募の中では最高位の総合3位に入賞できたりしてデニムを手がけたことで、普段とは違う雰囲気も味わえた。

リネンデニムも、私が世代交代のときに立ち上げたプロジェクトの一つ。それが10年後の今も、林与の特色のひとつとして生きている。モノをつくるだけでなく、展示会や業界紙である繊研新聞などでも業界のニュースとして取り上げていただき、麻関連のファッションのトレンドを自分の生地づくりから作ってゆけるような感触。ほかに立ち上げたプロジェクトがやわらかリネンストールプロジェクト、リネンキッチンクロスプロジェクト、かばん生地、アイリッシュリネンプロジェクト、オーガニックリネンプロジェクトなど、世代交代の前にはやりたくてもできなかったことを、自分が社長になったのだからやって行くといことで、織りだけでなく、糸、染、加工、製品化も含めて。総合的に織物を考えて行くことになった。

先代は、問屋さん経由での販売に重点を置いたが、私自身は自分が自分で立つことの基本として、自分自身で生地を売るということにも力を入れて、海外の展示会などにも出展し海外のアパレルブランドの方々に自分が作ったものをみてもらうという形を目指した。清水の舞台から飛び降りる気持ちで、はじめて出展したジャパンクリエーションから10年。40歳のころというのは仕事面でも一番ピークのときで、やろうと思えばなんでもできた気がする。10年後の今、あのときの勢いがあるかというと、まだやりたいことは一杯あるのである。