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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
TN展
2019年04月24日
今日は朝東京入りで、TN展、林与は初出展。残念なことながら、体調が余りよくなく風邪気味で私自身はマスクしながら控えめの応対。TN展は機屋の集まりの展示会で、特殊な分野の専門が集まったみたいな感じ。個性のある機屋の特色のままを展示するという印象を受けた。

林与も現在、会社の中の生産体制を再構築中でいろんな展示会も断念するなか、学校関係も来られるなどで人材発掘なども目的の一つにおいて出展を決めさせていただいた。特殊な技術や世界を守るというのは外から見ると華やかにみえても、特別な考えをもった人でないとなかなか成り立たないだろうなあと思うのは私だけだろうか。初出展ながらも、福田さん、宮下さんとか、古橋さんとか、いつも展示会で仲良くさせていただいている皆さんがおられ、やっぱりがんばっておられるところはどこでもがんばっておられるのを感じる。技術的な部分だけでなく、ものづくりに関しても前向きな姿勢が当たり前で、自分の作っている世界を自分で提案していく形。私自身がこの10年ほどやり始めてきたことを、TN展は20数年前からみなさん動かれているお話で、私も地元のおおまえさんから、20年ほど前にお誘いを受けたこともあって、参加してみて実感する。

夜は近くのイタリア料理のお店で懇親会。座らせていただいたのが出展者の女性のたくさん居られるテーブルでその要因は山崎ビロードの会長ということで温厚な人柄が若い女性を集めている。織物加工の専門の方が、加工が15年進歩していない話をされて、私自身、自分だったらどうその問題考えるかを考えた。昔のほうが加工はいろんなことができたということはあるだろう。今のほうが需要が激減しているので、少人数でピークの生産を対応していかないとならないのを、昔以上に限られた時間の中で、限られた人員で無理してやってるのが日本の加工業の現実だろうと思う。技術的にできることを広げるのは理想としてはあっても、それが実現できたとしてもそれが市場で受け入れられるのかどうかとう問題。今回のTN展でも新規のお客様の要望を集約したイメージは、在庫があること、小ロット生産が可能なこと、オリジナルができることのあたり。加工に関しては家庭洗濯のやわらかいものということで、本来量産向けの加工工場が得意図するアパレル向けじゃないテイストだったりする。

新しい化学的な技術が、求められている理想の解決方法なのかというと、天然繊維に関しては逆にそうではなく、天然志向な消費者からは敬遠されてしまう技術だったりする。私自身は本質的な価値観が布の価値観の基本だと思うので、最新の技術というものでも本質的な価値の詰まったものでなければ難しいと思えたりする。染なんかに関しては、麻で質摩擦堅牢度5級約束しますみたいな染色方法があればよいけどとは思うが、それが出たとしても飛びつくのは危険で、人体への安全性の面や他の物性の面での問題、風合いの問題など専門家が見落としがちな部分を検証した上で消費者の方には提案すべきだろうと思う。それは、極端な話、最新式の飛行機が安全なのかという問題に通じ、本末転倒なことにもなりかねない。その専門の方も、出展している機屋たちのように動かれて布の形で加工の凄さを発表されると、それが受け入れられるものなのか受け入れられないものなのか、また、お客様が買って使っていだだく布として一番大事なところ見えてくるのではないだろうか。

私自身が他の人がこだわらないことにもこだわっての部分にているかもしれない。その問題は自分の中で問題であって、他の人にとってはどうでもよいことだったりするとか。自分自身が問題解決をすることは自分にとって凄く大事なことなのであってそれはそれで良いこと。それは自分一人だけの世界で多くの人には理解の難しい世界なのかもしれないから、こだわりはこだわりで自分が追い求め解決して行けばよいんだろうと思う。