2019年05月20日
今日は、スタッフの子が、初めてのタイイングマシーンの練習。手で繋ぐのは一度、半日ほど練習してもらったが、タイイングマシーンに挑戦。タイイングマシーンを使うためには、織りおわった縦糸のアゼを取る必要がある。篠山タータンの縦糸のアゼを取って、別の色のピッチの違う篠山タータンを繋ぐ作業。
2回目か3回目のアゼ取り作業で、まだ慣れていないからアゼが何箇所か飛んでいる。分かる分かる私も若い頃にアゼ取りを専門でもないのに必要に迫られてやったときに、なかなかうまくアゼが取れないことがあった。せっかく、仕事を覚えるのだから全部つなぎきるまでを見てもらおうと見てもらう。
タイイングマシーンの調子も絶好調で調子がよいのだが、ときどきアゼが飛んでいるので、その対応に時間がとられる。最後のほうで、縦糸を強く張りすぎたか、タイイングマシンが糸を持っていこうとすると糸切れが続発するも、テンションを緩めてなんとかクリア。
麻糸は伸度が少ないので、タイイングマシーンで繋ぐときに糸切れを起こしてしまうことが多い。糸切れすると、その糸切れを直してあげるのにすごく迷うこともある。でも、正しい判断ができるように、今日だけでも糸切れの処理を何十回か見てもらうことで、タイイングマシーンのトラブルである糸切れを正しく直すのが当たり前と感じてもらう。
ちょっと気になったのが、はさみの使い方。はさみが切れないようにみえることが多いので、それほど悪いはさみじゃないと思うのにどうしてか、はさみの使い方を改めて修得してもらう。林与に来た人がハサミの使い方で苦戦しているのを見ることが多いが、ハサミは使い方次第で切れないハサミでも切ることが出来たりする。手の使い方次第でどんなハサミでも普通に糸が切ることができることがほとんど。
一つのハサミも何千回もハサミを使えば、ハサミも切れにくくなるのも当たり前で、それでも糸を問題なく切ることができる。ある機屋の方が林与に来たときには、林与の一個100円のハサミの切れ味に感動していた。普段、使い込んだ切りにくいハサミで普通に糸を切っておられるんだろうと思う。扱い難い刃の丸まったハサミを経験者が好むのも、刃がとがっていると危ないし、先も丸めて刃も丸まったハサミでも使い方次第なのである。ハサミはあるだけでありがたいと思うのは、ハサミがないときには糸を結ぶのも、1ミリ2ミリのムスビソで、はさみ使わずに切らずに結ぶ。はさみ使わずに2mm程度で機結びで結ぶことも練習すれば可能だけど、それをやるくらいならハサミ使ってカットしたほうが綺麗で早い。
ムスビソというのは結び目のことだが、ここにも、ソという言葉がある。苧(オ)と語源が同じで、オを結んだものという意味。