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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
正しい企画
2019年08月20日
みんなが分担してやればよいというのは昔のスタイルで、今も分業的なものづくりに縛られている人が多い。今の時代は意思のある強い人が実際に作業していかないと繊維業界では成り立たない。

トラブルなんかも織物だけのことだけでなく、縫製のことも含めるとあまり高度な生地はやらないほうがよいのではないかと思う。海外縫製のほうが日本の縫製よりも上手になっているのを感じたのは10年ほど前のこと、日本だと縫製工場は延反して、上からがっちゃんの縫製がほとんど。海外では、一反をすべて検反してすべての小さな糸のムラもマーキングで、裁断個所を決める。海外の縫製技術の高さには驚いた。

また、インドの縫製でも、日本よりも上じゃないかと思うのは、プリント生地などでも、30枚重ねて裁断したらそのレイヤーごとのパーツに、番号を打って、プリント生地に起こりがちな色ムラの問題を、量産においてもサンプルと同じ2mとか3mの中で、1着の服が出来上がることになる。日本の縫製工場でそれを当たり前にやっているところはないだろう。やれば縫製段階での品質の向上は見込める。

品質を上げる方法としてはそれほど難しくないことなのだが、一着いくらの縫製でやっている縫製工場の仕事ではそれは難しい話になる。リネン糸なんかもイタリアの糸でも問題が多くなりすぎて、織れない糸に出会うこともあり、林与では低速のシャトル織機が活躍をしている。支給される糸での企画の場合、織れないときには本当に困る。問題は支給された糸にあるのだが、その問題の解決は織る側に要求され、一回切れ、糸の切れ方が縦切れを感知しにくいタイプの問題だと、ときには30分、1時間かけて一つの傷を治しながら織る。そういう仕事だけで他の仕事がすべて止まってしまい。1時間やってもまったく織れない話も普通にある。糸ムラの問題を織傷だとして修正する話もあったりするが、実際、糸ムラでも、支給された糸なら織る側の責任ではないのに、手を加えていることも多いが、糸を支給してもらって問題もなく正しく織りあがるということはないのである。

そういう問題を問題の根本で解決すればよいのだろうけども、今は最高級の糸を使っても糸も問題が起こって当たり前くらいの状況にはある。典型的な例が、20年前のロイヤルラミーよりも、今のグレード的にはロイヤルラミーより上とされるスーパーロイヤルラミーのほうが、強度などは2割くらい落ちるとか、10年前はリネンの100番手でも糊をつけずに織っていたが、今は糊をつけても織りにくいとか。50年前のアイリッシュリネンの細番手は今も織れるしっかりと強い糸だが、今の150番手は織るのが非常に難しい糸であったりとか。こんにゃく糊をつけるとラミーの細番手の先染とかだとカシミヤクラスの糸値になる。そういうものは織るのも難しく、カシミヤ以上に希少だがなかなか流通しにくい。

日本に限らず先進国でやるよりも新興国のほうが紡績の世界でも仕事が上手になってしまっている。今、アメリカなんかがメイドインアメリカを目指しているけど、途上国で作る以上に品質の問題は出てくるだろうと思う。その極めつけは原発事故で、チェルノブイリを笑ってられる話ではない。日本も一部の利権者が進めていた原発輸出を断念したが、そのほうが将来の他国での原発事故を未然に防ぐという意味ではよいことであろう。原発が爆発したの放射能漏れの隠匿とか、人の命すら自分の利権が優先して、6か月後に放射能レーダーが放射能漏れを感知していたのに、水蒸気爆発と国民に偽ってやるのが日本の原発行政の本質で、安全対策の問題でもなく原発行政の人の命より自分の立場を優先する人間性の問題。また、死んだバッテリーの代わりのバッテリーを買うのに予算申請を本社をテレビ電話でやってるようなおちゃらけ、百万人の命や健康の危険すら認識なく、一企業の利益が優先される体質、早めにやめたほうが良い。

原発がエコだとかもどこまでが本当なのか、原発が熱量を発し続ける温暖化加速の原因ではないのかという部分もある。太陽から降り注ぐ熱量と原発の熱量をくらべると10万分の1くらいだから無視できるというが、ミランコビッチサイクルのように、地球の温度は微妙なバランスで成り立っているのに、10万分の1だから無視できるとかは科学者できではないだろう。石油燃料を使ったことで、CO2の問題でもなく、放出される熱量の問題で地球の温度が上がるという説も普通に考えられる。太陽のエネルギーを介して光合成で炭水化物に変換し熱量を吸収するのが石油燃料。原子力の場合にはそのメカニズムが働かないエネルギー放出。エコじゃないけど金儲けのために推進でPRしてゆけばよいだけのこと、モラルを絡めないでほしい。

貯めに貯めまくった日本のプルトニウムの問題、遠洋投棄もできず、また、馬鹿な連中がやることは、日本中の土に薄めて日本中をプルトニウムの大地にするくらいしか処理方法はないだろう。本来、日本の無人島などの本土から離れた地中深くに埋めるとかのほうが安全ではあるが、それだと利権は少ないからそういう答えにはたどり着かないのが日本の利権構造。