2019年10月20日
今日は、集落の防災訓練、避難訓練、ドローンでの情報収集、煙体験、非常食試食、放水訓練の実演などを体験してもらったり見てもらったり。今日、本当にすごいなあとおもったのは、農家の親戚の78のおっちゃん、非常食というのがやはりそれなりの味なので、その味を批判するようなシチュエーションだたので私が非常食を批判したらアカンでというと、その意味を即座に感じられたところ。農家のおっちゃんだけに、コメの味にこだわってられながらも非常時の食べ物の本質に対する私の指摘に瞬時に適切な反応。頭が下がるくらいにすごすぎるのである。多分、非常時にはあるだけの自分のコメを無償でみんなに出されるようなおっちゃんなのも私は分かってる。突っ込んだ私が自分の中で少し後味悪かった。
1990年代に、日本のコメ不足の時に、タイ米を輸入したことがあるが、日本の国民がコメ不足で食べるものに困っているときに、一番味が合いにくいタイ米を、外米はまずいという印象をあえるために輸入した日本の農業行政、たぶん、それがカリフォルニア米だったら、外米はおいしいということで日本の農業行政が揺るがされるという危機感だろうが、日本国民が食管制度のあおりでコメ不足なのに、まだ、メンツにこだわる農業行政というのは、メンツが先に立って目の前の人の命の危機すらも見えなくなることがあるのを私は心配する。ネッスルが震災の時にミルクを提供しようとしたがそれがコナか生かで日本の国が断ったということ。ネッスルからすれば今までで日本だけというあたり、国民が食べるものに飢えてしまっている状況でまだ、違法か、人が死ぬかで、違法であることを盾にする。一方で、放射能汚染の基準値は即座に20分の1に引き下げて電力行政は違法でなくする。
おっちゃんはそういう馬鹿どもと違って、食べ物のありがたみを作っている人。町の農業総代なんかもされてる方で、腰も曲がっても地道に毎日仕事に励んでおられてすごい人。また、私の一言にも適切に反応されるあたり、怖すぎるほどに人間が出来ていて本当に見習いたい人間性を持っておられる。私もハイレベルなものをつくってたいという気持ちはあるけども、やはりものをつくる本質というのは、偽装などは別としてほかの人が正直につくったものを馬鹿にするまでになるとどうなのかなあと思う。
日本の人にしても中国産だと高く買わないけど、日本の業者は中国という要素を消してヨーロッパ産に化かす風潮があるけども、ヨーロッパのブランドの多くが中国産でないともう本国では高品質なものはつくれないのは、日本も近いところに来ていると思う。糸関係なんかも、日本の糸も中国の糸の水準に落ちてきてしまっているし、シルクなんかでも量産の紡績糸は国内銘柄も一つ残っていたけども品質面からして中国銘柄に負けてしまっていての判断が業界でもあったりする。中国の業者は自分仕事しているから自分の糸に誇りを持っていて、ヨーロッパの糸と化かすことはないのだが、かつてのヨーロッパ紡績企業のブランドネームがそれについて、ヨーロッパの糸として化けて流れるとか。日本の業者やヨーロッパの業者の産地偽装での金儲けの標的は日本や中国だったりする。
中国の展示会でも、イタリアブースで中国のバイヤーたちがイタリアの生地メーカーの生地にあふれかえっていても、その生地が中国で作られているものだと知っているものは少ないだろうし、それを知っても、ヨーロッパ生地としてうればもうかるとなれば知らないふりで、イタリア生地としてながし、中国の消費者にはイタリア産の生地を使用しているということになる。イタリアで一番有名な生地メーカーが林与の生地を3年以上にわたって、60点、70点ほどサンプルが欲しいというリクエスト、日本でも3mで10万円クラスのイタリアで一番有名な生地メーカーでも、単なる世界一のサンプル泥棒に過ぎないあたりがヨーロッパ生地の現状の一つ。そして一番イタリアで有名な生地メーカーはサンプルリクエストしても生地は買わないというサンプル泥棒としての日本の生地メーカー集団としての定評が日本のアドバイザーも含めあって、私の中では、イタリアで一番有名な生地メーカーは世界で一番の生地サンプルのパクリのが仕事のパクリ屋さん。イメージと生地メーカーとしての本質と差が激しすぎる。世界的に大手の生地開発は他企業の種をパクるのが仕事みたいな辺りで成り立っているのが至極残念そのものだが、業界の世界的な大手にパクられるようなものをつくれるくらいでないと小さな企業としても難しいのだという繊維業界の現実。