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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
今の時代についていくのが
2019年12月01日
仕事があっても、今の時代の仕事についていける長年の経験者というのも繊維業界だとあまり存在しないだろう。昔の流れの毎日普通に仕事があってそれをこなしたら食べて行ける時代と違って、今は、どんどんと前に仕事を前に進めてゆく力がないと成り立たない仕事が多い。

仕事があっても、Aという人がやれば成り立つが、Bという人がやると成り立たないみたいな、仕事がほとんど。たとえば、元気に見えるコンビニもその一つ、コンビニの経営者は成り立たせているだけのこと、他の人がやったらすぐに閉鎖ということもあるだろう。

林与の経糸をつなぐ仕事でも他の織機を動かしながら糸がつなげれば仕事として成り立つが、糸をつなぐだけで成り立たせようとすると、タイイングマシーンでつなげるとか、つなぐのが難しいのを手で正確に早く繋げないと難しい。並行して作業をできるように、作業を組み立てられる人でないと難しい問題もある。

仕事の時間のなか仕事が成り立つように動ける必要があるのである。私も経験者の人の準備をしてきて、その逆というのがあまりないのを不思議に思ってきた。経験者というのは自分から手が空いていても他の人の作業を手伝おうとはしないのが不思議だったが、ひと世代昔の経験者というのは他の仕事はできないままであることが多いのである。

伝統工芸士だった勘一じいさんが私が忙しいのをみて、自分で整経の筬通しをしてくれたが、それが間違って過ぎて、やってもらうのは難しいなあとおもったけど、そういう気持ちをもって仕事している人というのは少ないのでありがたい話ではあった。

繊維の業界も、今の時代の仕事について行ける人でないと、仕事があっても仕事が見えないとか仕事が進まない、成り立たないということになる。出機さんにチャンスが訪れたのがストールブーム、そのストールブームのときに最初の見本一つが、繋いで織る前までもっていっても、織ってくれない。諦めて、自分が織って持って帰ってくると、勝手にさわるな嫌なら自分が織機入れて織れといわれ、せっかくのチャンスの仕事で仕事してもらいたかったけど、自社の織機をシャトル織機に入れ替を決意してのストールの生産。

仕事があっても仕事として成り立たせることが難しい、ましてや普通にないチャンスの仕事でもそれを嫌がっては仕事そのものが難しくなる。ストールの加工も同じく、地元の工場でストールの量産をしたかったが、新しいもの過ぎて、こんなのできるはずない、もってこんといてくれ、といわれたので、他のルートでの商品化。

繊維の業界では、なかなか良い仕事がないときに何年ぶりかのチャンスの仕事でももったいない話なのである。昔の体質の繊維業界がなかなかチャンスをつかみにくいのもそのあたり、加工工場さんもその1年後くらいには、私が思っているような加工をできるようになっておられたが、それはストールブームがピークを過ぎた年、非常に残念な話なのである。