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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
リネンの細番手
2019年12月19日
林与が得意とするリネンの細番手なのだが10年前は糊をつけずにレピアでも織っていたが今はそれがなかなか難しい。この10年でも原材料の品質が低下してきているように思われる。今は糊をつけて織っているが、一時期は、綛からチーズアップが非常に難しいとのことで内部でチーズアップを行っていた時期もあったが、今は、おじいさんに問題なく巻いてもらっている。おじいさんも以前は巻けないということをよく言われていたが今は言われないので糊付けの糊剤が変わったことが要因だろうと思える。

今年は昨年にくらべ先染め話が少ないということを染色工場の方に聞いた。うなづける話である。アパレル向けがどこもよくない話のようで、アパレル不況が深刻化していると思える。林与も、以前はアパレル向け一本だったけど、アパレル向けの比率が落ちる流れを感じていたので、ストールやキッチンクロス、資材、生地さん向けや雑貨向けなど、アパレル向け以外の比重を増やしてきたのが、今のアパレル不況のなかでも忙しくやっていけている要因の一つである。それもいつまで続くかは自分がどう新しい活路を見出し柔軟に対応してゆくかのあたりで、綱渡りはつづくのだが、仕事を始めたばかりの人も同じ話で、同じ土俵、長くやってるからといって勘違いは駄目だろうと思える。

リネンの細番手を企画するだけでなく、自分も織っているから細番手の意味が分かるところだし、織物の価値というのが何なのかが分かる。たぶん、自分でやってない人には分からない部分だったりするが、案外、消費者の方というのはそこに織物の価値を感じてくださっている。林与自身が織物を企画すると幻の企画みたいなものばかりになるだろうから普通じゃ流れにくい。今のアパレルの流れに乗らない、そういう特別の世界はじっくりと自分で販路から構築して流してゆくものだろうと思っている。