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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
あけましておめでとうございます。
2020年01月01日
皆様、明けましておめでとうございます。私の仕事の基本として、別に織物だけのことではないのですが、不労所得的なものには流されない方向で仕事に徹していきたいなあと思っております。一方で、織物という狭い範囲にとらわれずに世の中の問題全般に関しても織物が貢献できそうなことにおいては、前向きに取り組んでいきたいと考えているところではあります。

2000年以降の流れの中で国内向けはアパレル向けの素材提案というものがかなり難しくなってきたのを感じており、できるところも少なくなってきたのを感じてはおり、林与というのは積極的にアパレル向けの企画なども展開してきたほうではありますが、国内のアパレル向けの全体的な流れがどんどんと難しい流れになっているのを感じてはおります。一方で、旧来の繊維形態に引っ張られない日本の海外生産型のSPAはこの20年ほどで急成長。旧体質的な部分というのはどんどんと通用しなくなってきているのを感じます。

一つ思うのが、自分が売れると思ったものや作りたいなあと思ったものをつくっていく部分がなくなると駄目だろうなあと思うところです。日々、お客様の仕事に追われる中でも、余力を見つけてそういうのに取り組んでいく気質みたいなものがないと、その他大勢というだけだろうと思います。ワビサビ的な、微妙な色合いの売り場というのも少なくなってきてはおり、普通の売り場に味のある感じのものを置いてもなかなか見栄えがしにくいのも事実ではあると思います。売り場に置いたときにトーンが淡いと負けてしまうという問題など。

今年は何を自分で捜索していくのかはまだはっきりとはしていませんが、だれかもう一人二人、布の世界のものづくりに極めたい人が林与の中に居てくれたらなあと思うところです。ものづくりの基本は人だなあと思うことが多く、同じことでも人が異なれば、結果がプラスとマイナスに分かれます。常にプラスの結果を出そうとベストを尽くせる人でないとなかなか残ることも難しいのが今の繊維業界の厳しさでもあるものの、場所が大きな要因を占めるサービス産業とは異なり、ものづくり産業というのは新しいものをつくったとしても似たものはでてきますし、自分だけができるような領域をもっている人でないと残るのは難しいのかとも思います。が一方で、そのためには、目の前の物事に対して普通に素直に真面目に仕事に取り組むだけのことなんじゃないかなあと思うのです。日ごろの仕事の中においても、日本らしいものづくりの一端を持てればと考えております。