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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
解決
2020年03月08日
林与のレピア織機は昭和51年頃の織機で、産地というか日本でもレピア織機で麻を一番初めに織った織機であるが、それが今も現役で動いているのだが、どこも機械的には正しく動いていてもうまく織れないということがある。すべて正しく動いているのにヤーンピッカーがうまく糸をつかんでくれない。つかんだ糸をカットしなければならないのだけども、そのカットがうまく行っていないので、カッターを他の織機と交換してみたりもするけどもうまく行かない。

レピア織機の構造は基本的には理解をしているので、カッターカムのローラーの消耗だろうと想像はしているのだが、取り外して確認しても直径20mmが19mmに減っているだけで大した消耗でもなく、それが本当の原因なのかどうかを確認するために他の織機のローラーを取り外してつけてみるも、どの織機のローラーも同じく1mmくらい直径が小さくなってしまっている。そこで、直径を大きくして改善するのか、ローラーにビニールテープをぐるぐる巻いて直径を1mmだけ大きくして動かしてみると、今までの苦労はなんだったんだろうというくらいにうまく動くようになった。そして、その部品を取り寄せた。

織っている時間よりも問題を解決する時間のほうが長いことも多く、先日は、厚織生地の耳との格闘を3日4日、3日目くらいからようやく綺麗に耳まで織れるようになって、織物というのは単に1mいくらの世界ではないところ。織機が調子よく織れるうちにたくさん織っておこうと思う。そうしているうちに、25番の織機も調子が悪くなってそれも思い切って調整を加えて、綺麗に動くようになったと思ったら、すごく調子のよかった60番の織機が急に調子悪くなってなぜ、原因が不明で織機の調子が崩れるのが一番困る話。

まあ、織機も調子を崩そうとして崩れているわけでもなく、まあ、調子が悪いというのは病気になったようなもの。上手に見てあげれば調子がよくなって元気に動いてくれる。織機というのは案外正直なものである。